ユリシーズ

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第十八章 「ペネロペイア」トロイの木馬の勇者ユリシーズは十数年かけて愛妻ペネロペイアのもとへ帰り着くが、1904年のユリシーズ(ミスター・ブルームのこと)は6月16日の深夜に息子テレマコス(スティーブン・ディーダ…

フジテレビで3夜連続特別ドラマ「女の一代記」シリーズ①「瀬戸内寂聴〜出家とは生きながら死ぬこと 夫と娘を捨て走った恋 妻子ある小説家との恋 私の情熱はすべてを破壊した…修羅の半生」を観た。それにしても妻から、「好きな男性が出来た」と告白されたと…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第十六章 「御者溜まりにて」路上に倒れたスティーブンを助け起こすブルーム。飲み物を欲しがるスティーブン。けれども辻馬車はなかなか拾えない。止むを得ず、馬車の御者たちを相手にパンとノンアルコール飲料を供する…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第十五章 「夜の街にて」「夜の街」とは nighttown 娼婦街のこと。日が暮れて、一日の疲れにアルコールがプラスされて内的世界と外的世界とがコンフューズしてくるミスター・ブルームとスティーブン・ディーダラス。まる…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第十四章 「産院にて」マーテロ塔、朝八時から始まったこの物語もいよいよ夜を迎える。夜の産院に光る稲妻と轟く雷鳴。家に帰ろうかどうしようか。結局、難産で苦しむ知人の奥さん(ミセス・ピュアフォイ)を産院にお見…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第十三章 「再びサンディマウントの浜辺にて」丸谷訳では「ナウシカア」となっている。宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E3%81%AE%E8%B0%B7%E3%81%AE%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%B…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第十二章 「キアナンの酒場にて」愛する妻が自分以外の男と性行為をしているだろうと推測している男が冷静でいることが出来るだろうか?もちろん妻への愛情が完全に失われているとすれば冷静でいられるし、無関心でいる…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第十一章 オーモンド・ホテルにてリフィー川に面して建つオーモンド・ホテル。ホテルのバーで働くバンケットの女性、ミス・ドゥースとミス・ケネディが、アイルランド総督の馬車が通過するのを見ながら、「男ってどうし…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第十章 ダブリンの人々ボイランとの遭遇を避けるために博物館から図書館へと抜けたブルームは“牡鹿の”マリガンとディーダラスを追い抜いて外へ出る。時間は3時少し前。午後4時まであと1時間。 3時5分前にアーティン…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第九章 図書館にて元横綱・貴乃花と劇作家ウィリアム・シェイクスピアとにはある共通点がある。 シェイクスピアと貴乃花の共通点とは?それは二人とも8歳年上の奥さんと出来ちゃった婚をした点である。貴乃花はフジテレ…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第八章昼飯どきのブルームダブリンの街をひとり、歩きながら、ブルームの心のなかにはさまざまな事どもが浮かんでは消え、消えては浮かんでくる。 クレープを入れない珈琲なんて… 「プラムトリー社の“壷(ジャー)入り肉…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第七章「新聞社にて」ディグナムの葬儀を終えたブルームは勤務先の「フリーマンズ・ジャーナル」と「イヴニング・テレグラフ」を発行している新聞社に出社する。交錯する「見出し」と登場人物と、すれ違うブルームとディ…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第六章「グラスネヴィン墓地に向かって」外風呂を浴びてサッパリとしたブルームはディグナム家からダブリン北部のグラスネヴィン墓地へと向かう葬儀の馬車に乗る。 街を行き交う人々 馬車の窓からダブリンの街を行き交う…

ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」 第五章「街を行くヘンリー・フラワー」 教会の鐘の音(ね)を聞きながら家を出たレオポルド・ブルームはダブリンの街をサー・ジョン・ロジャーソン河岸に沿ってまじめな顔で歩きつづける。 マッコイ レオポルド・ブルー…

ぼくはいま、id:HNakaさんに教えていただいた「ユリシーズの謎を歩く」を先導役として、ジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」を読んでいるのだが、「ユリシーズの謎を歩く」の著者、結城英雄教授が訳された「ダブリンの市民」も「ユリシーズ」と併行して読…

第四章「ブルーム家の朝」 ディーダラスが髭を剃る“牡鹿の”マリガンに陽気に揶揄されている丁度その頃、レオポルド・ブルームは、まだベッドに横になっている妻モリーに気遣って、静かに部屋のドアを閉め、朝食に好物の豚の腎臓を食べるためドルゴッシュ豚肉…

ジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」、読書に結構気合が入ってきた。5月29日の日記に書いた「美味しんぼ」もブルームが朝食に摂る腎臓のソテーが載っているから読んでみたし、昨日の日記もブルームがユダヤ人であることからの連想だった。今日からは鶴岡真…

第三章「サンディマウントの浜辺にて」デイジー校長からサラリーを貰ったスティーブンはダブリンの中心部にほど近い浜辺にやって来る。 産婆のカバンと砂まみれの雨傘 スティーブンは二人の女が砂浜を歩いて来るのを見る。第一の女は産婆のカバンを重そうに…

第二章「デイジー校長の学校で」 授業風景 “牡鹿の”マリガン、へインズと別れたスティーブンは生徒達を相手に授業をしている。授業をしながら、心に浮かぶスティーブンのそう遠くはない過去のことども。 月給 デイジー校長からサラリーを受け取るスティーブ…

第一章「マーテロ塔にて…」 朝の髭剃り 朝起きて、髭を剃る“牡鹿の”マリガンは眼前の山と海を祝福しながら、同居人のディーダラスを陽気にからかうのだった。昨夜、逗留中のへインズの寝惚けた発砲騒ぎのおかげで寝不足のディーダラスは、“牡鹿の”マリガンと…

ツアコン、カーナビですっかり日本語化したコンダクターとナビゲーターだが、ぼくが選んだ“「ユリシーズ」を読むツアー”のコンダクターはid:HNakaさんに教えていただいた結城英雄教授の「ユリシーズの謎を歩く」ISBN:408774387X、助手席のナビゲーターには川…

ドリカムの吉田美和さんの♪あ、らぶ そ〜ん♪という歌声が TV CM から流れると、「お、これがジェイムズ・ジョイスのユリシーズの歌なのだな」と思うようになった。吉田さんの歌声はホンダの車「オデッセイ」の CM に使われていて、 http://www.honda.co.jp/a…

楽譜に書かれている音符をいかに翻訳して音化するか、楽譜を指揮し演奏するという作業は、外国文学を翻訳する作業と、ある点、とても似ていると思う。昔、ベートーヴェンの「田園」を聴き比べるという作業を夢中になって行ったことがある。そして最後に得た…

いま、シネスイッチ銀座 http://www.cineswitch.com/ 他で上映されている映画「コーラス」 http://www.herald.co.jp/official/chorus/index.shtmlはジャック・ペランの製作による作品だが、ジャック・ペランといえば彼が主演した映画「ニュー・シネマ・パラ…

では肝心の「ユリシーズ」のストーリーを紹介しましょう。朝、リアポルド・ブルームが家を出て、夜おそく家に帰る。 掻い摘んで話すとこれだけです。「省略し過ぎだ!」と思うかもしれませんが、これだけです。これといった事件は起こりません。 という文htt…