2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧
失われた時を求めて(上)作者: マルセル・マルセル・プルースト,マルセル・プルースト,鈴木道彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 1992/06/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (26件) を見るプルースト「スワン家の方へ」 メゼグ…
「映像の世紀」はピアニスト加古隆さんパリは燃えているか ― NHKスペシャル「映像の世紀」オリジナル・サウンドトラック完全版アーティスト: 加古隆出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ発売日: 2000/10/12メディア: CD購入: 7人 クリック: 314回…
プルースト「スワン家の方へ」 メゼグリーズの散歩道-3 それというのも、コンブレーのまわりには散歩のための二つの「方(ほう)」があって、それがまったく正反対なので、実際どちらの方へ行こうとしても、他の方へ行くのと同じ門から家を出ることはなかっ…
今年の夏、プルーストの小説「失われた時を求めて」の第七篇「見出された時」の「ジュピアンの宿」のエピソードを読んでいたときに、ちょうど一年前の今頃、NHK TV で再放送されていたNHK特集「映像の世紀」の第二話「大量殺戮の完成塹壕の兵士たちは凄ま…
プルースト「スワン家の方へ」 メゼグリーズの散歩道-2 夏には逆に、私たちが家に帰るころ、太陽はまだ沈んではいなかった。そして私たちがレオニ叔母の部屋を訪れているあいだに、ますます低くなって窓に当たるようになった太陽の光は、大きなカーテンの留…
霙まじりの雪が降っているこんな年末の冬の日こそ、早春の日差しを思わせるワーグナーの『ワルキューレ第一幕』、『君こそは春!』を聴きたくなってしまう。 もう何年くらい前だろうか?夏の終わりの週末、ぼくはあるバーで一人飲んでいた。 Rは友達と二人連…
プルースト「スワン家の方へ」 メゼグリーズの散歩道 私たちは夕食前にレオニ叔母を見舞えるようにと、早めに散歩から戻るのが常だった。シーズンが始まったばかりで日の暮れるのが早い頃でも、サン=テスプリ街に着くときには家の窓ガラスにまだ夕陽が映え…
昨日観てから約36時間が経過したというのに舞台中央にチラチラ、チラチラ燃え続ける炎と、みずからの愛の世界に没入して「イゾルデの愛の死」を迎えようとして立ちつくすイーグレンとが目の前というか、頭の隅というか、意識の辺縁から離れていってくれない…
↑の DVD http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040111は昨夜、観ようかと思ったのだが、全部で200分以上かかるので今朝観た。そして日記を書いた午後から夜にかけて、まだ余韻が残っていて、ボーっとしている。ヒルデガルド・ベーレンス、ワルトラウト・マイヤー…
ルネ・パーぺ(マルケ)/ハンス=ヨアヒム・ケテルセン(クルヴェナール)/ カタリナ・ダレイマン(ブランゲーネ) 指揮:ジェームス・レヴァイン/ 管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団 演出:ディーター・ドルン 録音:1999年12月 グスタフ・マーラーがメ…
プルースト「スワン家の方へ」 はるかなコンブレーの鐘塔 コンブレーの町にあるすべての仕事、すべての時間、すべての物の見方に形を与え、これを完成し、聖なるものたらしめているのは、サン=ティレールの鐘塔だった。私の部屋からはスレートをふき直した…
岸本加世子「美しいかたはより美しく、そうでないかたは・・」 樹木希林 「そうでないかたは?」 岸本加世子「それなりに」 樹木希林 「あ、それなりに・・・」 オバート=ソーンのLP盤の板起こしによる復刻シリーズを聴いていて、この富士フィルムのTV CM …
ベルリーニ:歌劇「清教徒」(2枚組)(録音:1953年3月24、26、27、29-31日、4月1日、3日、ミラノ、聖エウフェーミア大聖堂) マリア・カラスhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20030927(ソプラノ)、ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(テノール)、ローランド…
岸本加世子「美しいかたはより美しく、そうでないかたは・・」 樹木希林 「そうでないかたは?」 岸本加世子「それなりに」 樹木希林 「あ、それなりに・・・」 オバート=ソーンのLP盤の板起こしによる復刻シリーズを聴いていて、この富士フィルムのTV CM …
プルースト「スワン家の方へ」 プチット・マドレーヌ-3 ちょうど日本人の遊びで、水を満たした瀬戸物の茶碗に小さな紙切れを浸すと、それまで区別のつかなかったその紙が、ちょっと水につけられただけでたちまち伸び広がり、ねじれ、色がつき、それぞれ形が…
ワーグナーはバイロイト劇場でしか上演させない、言い換えればバイロイトに来なければ観ることの出来ない秘策のオペラを創作した。それが彼の最後の作品「パルジファル」http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040404である。1951年からほぼ毎年バイロイトでこの…
ワーグナー:舞台神聖祝典劇「パルジファル」(録音:1951年7月・8月、バイロイト祝祭劇場)(4枚組) 演奏史譚家・山崎浩太郎さんhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20041203も 「...デッカはすでにCD化している。そのCDは正統も正統、嫡流中の嫡流であ…
昔、ダイアルを廻してかける電話機というものがあった。アル・フレッド・ヒッチコック監督作品で「ダイアルMを廻せ」という映画もあった。そのころは電話をしていて怒られたりすると思わず電話機に向かって頭を下げたりすることもあった。そのころの電話機で…
あのマリア・カラスhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20030909の『トスカ』が、初期盤LPの音質で復活! カラスやカラヤンの数々の名盤を手がけたことで知られるウォルター・レッグが、『カラスの最高傑作』と述べたように、プッチーニhttp://d.hatena.ne.jp/mi…
マーク・オーバート=ソーンの製作する復刻盤はほんとうに素晴らしいらしい、という評判を伝え聞いてフルトヴェングラーが指揮をするワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」NAXOS Historical 8.110321-24 を聴いてみた。これはほんとに素晴らしい! 音に温度…
フルトヴェングラー / 『トリスタンとイゾルデ』 オバート=ソーンによる初期盤トランスファー 1952年録音。ふたりの偉大なワグネリアン、フルトヴェングラーとフラグスタートが残した不朽の名盤を、SP盤復刻の名手として知られるオーバート=ソーンが…
森雅裕さんの『モーツァルトは子守唄を歌わない』http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040727を読んでから、時々、「眼鏡を掛けた小肥りの少年」シューベルト君が目の前を飛び交ってならない。で、ギュンター・ヴァント/NDRの、2000年10月のオペラシティの…
プルースト「スワン家の方へ」 プチット・マドレーヌ-2 少したって、、陰気に過ごしたその一日と、明日もまた物悲しい一日であろうという予想とに気を滅入らせながら、私は無意識に、お茶に浸してやわらかくなった一切れのマドレーヌごと、一匙のお茶をすく…
プルースト「スワン家の方へ」 プチット・マドレーヌ コンブレーにかんして、自分の就寝劇と、その舞台以外のいっさいのものが私にとってもはや存在しなくなってから、すでに多くの歳月の過ぎたある冬の一日、家(パリの)に帰った私がひどく寒がっているの…
うん、うん、それ、僕も観ました。つまらなくて途中で眠ってしまいましたよ。歌手と、指揮者/オケと、舞台と、三拍子揃ったオペラなんて、そう観れるものではない、ですよね。 スペイン語読みすればドン・ファン、彼は女性を愛そうなどとはこれっぽっちも思…
僕の兄は一橋大学を卒業し政界に入った。名前を聞けば誰でも知っている。弟は東京大学を卒業し、あるテレビ局に勤務している。やはり名前を聞けば誰でも知っている。 で、僕は?無名である。名前がないのだ。番号で呼ばれている。 2歳年長の兄の名は英雄とい…
昨夜、テレビで映画「戦場のピアニスト」が放映されていたが、ナチスの将校にピアノを弾いて聞かせるシーンで、木下順二さんの「巨匠」http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20041012を思い出した。
魚にリンゴhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20041029は見向きもされないが、魚にミミズは絶好の餌だ。 ぼくにとってのオペラックhttp://operac.comはまさに「欲しいものだらけ」なのだが、きょうカルロス・クライバー指揮する1973年シュトゥットガルト国立歌…
プルースト「スワン家の方へ」 おやすみのキス-4 それに明日の晩はまだ先だった。私は自分に言いきかせた、まだ考える時間があるさ、と。しかしながらこの時間も、これまで以上に苦しみに耐える力など何ひとつもたらすことはできないのだ。なぜなら苦悩は私…
「ハイパー・ビートルズ」のピアニスト、高橋アキさんは渋谷の「ジァンジァン」http://www02.so-net.ne.jp/~kimoto-j/ay/pages/l_jean00.htmlでエリック・サティの連続演奏会を演っていて、当時交際していた女性が、音楽ファンというか「ジァンジァン」ファ…