2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2002/07/30(火) 黄金の時刻の滴り

感想日記-本・雑誌,感想日記-その他 『復活祭は雪に降られた。それなのに翌日、突然暖かな風が吹きはじめ、雲がみるみる厚くなって、三日三晩、生暖かい激しい雨が降りつづいた。』レフ・トルストイ『アンナ・カレーニナ』 辻さんの短編集<黄金の時刻の滴…

復活祭

毎年、復活祭の初め頃、語り手と両親はコンブレーの伯母の家へと赴くのだった。 しかし、キリスト教徒ではないぼくは復活祭といわれても、今一歩、ピンと来ない。 で、復活祭について、ちょっとだけ。 古くからあったユダヤ教、そのユダヤ教の教師の一人、パ…

四割四分四厘

カルロス・クライバーの対ベートーヴェンの打率。

森有正

抄訳版「失われた時を求めて」を読み終わったとき、僕自身には何か変化が生じるのだろうか、と楽天の日記に書いたことがある。 ライコス時代からずうっと僕の日記を良く読んでいてくれるAさんから、『読み終わったいま、何かmiiさん(これ、僕のことです)は…

夕映えのブラームス

少しづつ、日の入りの時刻が早くなっている。ふと気付くと、少し前まではもうこんな時間か、と思っていたのが、今日はまだこんな時間か、と思う自分にふと気付く。 いまの時期、午後5時頃から聴くブラームスは、心を打つ。 特に一昨日、約二ヶ月ぶりに聴いた…

150年前のラブレター

『毎朝ぼくに“おはよう!”って連絡してくれませんか?そうすれば僕は一日中有頂天になっていられるでしょう。あなたなしにはもうこれ以上耐えられそうにありません。』 『あなたを思い、あなたの手紙を読み返し、あなたの写真を眺めること以外は何も手につき…

僕は父が27歳、母が44歳の時に生まれた。

そうそう、僕の母は父より少し(17歳だけ)年上だった。 父はコントラバスやホルンやフルートを演奏していたのだが、あまりにも家で練習し過ぎて、うるさくて、母に嫌われてしまった。 家はあまり豊かではなかったが、母は無理して幼い僕にピアノを習わせて…

カンタータ「海上の凪と成功した航海」

秋晴れ、無風の今日のような穏やかな日、大航海時代の人々は風に帆を膨らませて順調に航海を続けられるように、風が吹き始めるのを心待ちにしていたのだろうか? ベートーヴェンのカンタータ、「海上の凪と成功した航海」は全7分ほどの小品*1であるが、後半…

2003/07/18(金) ベートーヴェンと、安藤忠雄さん*1の「神戸の家」

昨夜録画したNHKテレビ放映の建築家安藤忠雄さんの特集を見る。雑誌『ブルータス』の特集号の企画から生まれた、神戸の小住宅の設計、施工から完成までがレポートされている番組で、その4階建の家は瀬戸内海が居住者の庭のように設計されている。 海を居間…

一度も海を見ることなく、その生涯を終えた男

森雅裕著『モーツアルトは子守唄を歌わない』、森雅裕幻コレクション1 KKベストセラーズ 刊 読了。思わず引き込まれる小気味良いリズムの文章、さすが江戸川乱歩賞受賞作、と楽しく読んでいたのだったが、エピローグに書かれた以下の文を読んで、僕は心を乱…

カルロス・クライバー

カルロス・クライバーはワーグナーを指揮しているが、僕の知る限り、クライバーはワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」だけしか指揮していない*1。その他のワーグナーの曲をクライバーの棒で聴いたことはない。 僕はクライバーの「トリスタンとイゾルデ…

ワーグナーの「ニーベルングの指環」は、まずサヴァリッシュ/バイエルン国立歌劇場のLDニーベルングの指輪*楽劇 [DVD]アーティスト: ベーレンス(ヒルデガルト),コロ(ルネ),ヘイル(ロバート)出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン発売日: 2000/05/31メ…

映画「天井桟敷の人々」

天井桟敷の人々 [DVD]出版社/メーカー: パイオニアLDC発売日: 2002/09/26メディア: DVD クリック: 10回この商品を含むブログ (47件) を見るDVDで、仏映画『天井桟敷の人々』原題「Les enfants du paradis」1945年 を観る。僕はこの映画も、数回映画館で再上…

ラ・ボエーム

歌劇《ラ・ボエーム》全曲 [DVD]アーティスト: ミラノ・スカラ座合唱団出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック発売日: 2003/11/21メディア: DVD クリック: 2回この商品を含むブログを見るこうして出会ったショパンとジョルジュ・サンドはあ…

別れの曲

ショパンは故国ポーランドを後にして、21歳のとき、芸術の都パリへと渡る。 ショパンが楽譜屋で主人と話をしていると、突然、自分の曲『ポロネーズ』が流れてくる。たまたま同時に楽譜屋に居合わせたリストがショパンの楽譜を見て、弾き始めたのだ。 ショパ…

ショパン、別れの曲

ある方の日記(わたくし日記 リミックス)に映画『戦場のピアニスト』オリジナルサウンドトラック盤についての美しい感想文が記されていた。

コンブレー

「失われた時を求めて」、第一篇「スワン家の方へ」は第一部「コンブレー」から始まる。 フランソワ・ル・シャンピ*1をママンに読んで聞かせてもらう語り手だった。 *1:ジョルジュ・サンドの小説

サヨナラ慎ちゃん

今夜の巨人はまたまた阿部慎之介捕手のサヨナラホームランで勝ってしまった、人呼んで「サヨナラ慎ちゃん」。 後半戦の滑り出しはすこぶる好調。 なぜ、マルセル・プルーストの小説「失われた時を求めて」全訳を読むのかって? それは抄訳版の最後、「あとが…

RE:究極の不倫

『どこがどう、究極なのか解りません。教えてください。』とのメモをいただいた。 そう、自分の弟子(フォン・ビューロー)の奥さんで、親友(フランツ・リスト)の娘でもある女性と出来ちゃって子供まで生まれちゃった、だから究極、というわけではありません…

究極の不倫

二人の死をもって終わる不倫から元の鞘に納まる不倫まで、どのような不倫を究極の不倫とするかはその人の価値観の問題だろう。 ワーグナーにはハンス・フォン・ビューローという名の指揮者の弟子がいて、フォン・ビューローには二人の可愛いい子供と、ワーグ…

ロバートホール

いや〜、今夜のフジテレビ「ロバートホール」は懐かしく、面白かった。プロレスラー、あのタイガージェットシンと上田馬之助のギャグを見ることが出来たから…。 「きっかけはフジテレビ」で無意思的に呼び起こされる街頭テレビと力道山の世界、そして時代は…

メル・トーメ/アット・ザ・レッドヒル

昨夜は或るパーティがあって、飯倉まで行ってきた。二次会に出る気にもならず、直帰し、秘蔵の辻さんの講演記録のCDを聞いたり、高校時代に良く聴いていたジャズのCDを聴き直したりして過ごす。 今日は午後から、昨夜の続きでジャズのCDを聴く。で、たまには…

次の住人

そして、鈴木教授と辻さんの具体的なパリのアパルトマンの関係を知ったのは、わずか数日前、7月5日のことだった。 いま読んでいるマルセル・プルーストの小説、「失われた時を求めて」の訳者、鈴木道彦教授が留学中に住んでおられたパリのアパルトマンに、鈴…

遥かなノートルダム

知性とは高められるべきものであり、感性とは磨かれるべきものではないだろうか? ほぼ一年間にわたってマルセル・プルーストの小説、「失われた時を求めて」を読んできて、そう感じる。 知性に裏打ちされた感性と、感性が支える知性とが織り成す世界を、小…

RE:優雅な不倫

さっそく、『どこがどう、優雅な不倫なのかわかりません。教えてください。』とのメモをいただいた。例の「究極の不倫」の時と同じ方である。 30代の元帥夫人は18歳の若い伯爵と愛人関係にあるが、最近年齢差を意識するようになっている。そんなところに遠縁…

優雅な不倫

R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」 [DVD]アーティスト: ウィーン国立歌劇場合唱団出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック発売日: 2002/06/26メディア: DVD購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (12件) を見る秋晴れの日曜の午後だ…

筋金入りのホモの続き

残念ながら、『筋金入りのホモの続き、知りたいです!』というメモは貰えなかった、一通も。でもなぜか続きを書いてしまう僕。 晴れて相田翔子さん似の美女と離婚出来たチャイコはルンルンで、モスクワ音楽院の放課後の教室でいけめんの青年と愛し合っている…

筋金入りのホモ

『結婚したのにチャイコフスキーはホモだったのですか?良く分かりません』とのメモをいただいた。どうも僕の文章は舌足らずで分りにくいらしい、反省。 チャイコフスキーが結婚(1877年)した頃は、男は40ちかくまで独身でいると周囲から「あいつはホモだ」…

SEA SIDE WOMAN BLUES

ご存知サザン、桑田佳祐さんの“知られざる傑作”、歌うはビートたけしさん。 木曜日深夜フジテレビから放映されていた、「足立区のたけし、世界の北野」のエンディングテーマ曲。特に二番の歌詞が良い。……。 “愛”とうい字は真心(まごころ)で “恋”という字に…