カンタータ「海上の凪と成功した航海」

秋晴れ、無風の今日のような穏やかな日、大航海時代の人々は風に帆を膨らませて順調に航海を続けられるように、風が吹き始めるのを心待ちにしていたのだろうか?
ベートーヴェンカンタータ、「海上の凪と成功した航海」は全7分ほどの小品*1であるが、後半の風が吹き始め、船が動き始める部分の描写が素晴しい。
人は、無風であれば、「風よ吹け」と神に祈り、嵐になれば「風よ静まれ」と神に祈る。神はその身勝手さに「ああ、またか…」と呟きながら、なんとか2004年の今日迄、われわれに航海を続けさせてくれている。
ランボーは「北海に向いた彼女の青いコルネット、難破した人々のために…」と歌った。僕達も難破しないように気をつけなければいけない。が、自然の力の前に謙虚になって、祈ることも忘れてはならない、と思った。