2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴァントゥイユのソナタ

ゆったりしたリズムで、楽節はスワンを導き、まずここに、ついであちらに、さらにまた別なところにと、気高く、理解を超えた、しかも明確な幸福に向かって進んでいった。そして突然、それが到達していた地点、そこからさらに楽節に従ってゆこうとスワンが身…

アンダンテ・カンタービレ

「カンタービレ」といえば「のだめカンタービレ」を連想する今日この頃であるが、ある世代以上の人々にとっては「カンタービレ」といえば、チャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」を思い浮かべるはずだ。チャイコフスキーとプルースト、同じホモつ…

トロイメライ

東京は雪が積もった。今日のような寒い夜には↓こんな動画を観て「ヴァントゥイユのソナタ」に夢を馳せる。失われた時を求めて 2 第一篇 スワン家の方へ 2 (集英社文庫)作者: マルセル・マルセル・プルースト,マルセル・プルースト,鈴木道彦出版社/メーカー: …

リスト編曲ピアノ版「イゾルデの愛の死」

ヴェルデュラン夫人のソワレで、若いピアニストが弾くワーグナーは夫人に偏頭痛を引き起こすのだった。

ゲルマント大公とゲルマン民族

初めて「失われた時を求めて」を読んだときから、不思議だった。なぜ王家にも優る家系図を誇るフランス貴族中の貴族の名前を、ブイヨン大公とかクールボワジエ大公とか、いかにもフランス人っぽい名前にせずに、ゲルマン民族を、まるでドイツ人を思わせるよ…

憧れのゲルマント公爵夫人

こんなふうにして、私はよく朝まで考えつづけるのだった、コンブレー時代のことを、まんじりともしなかった悲しみの夜のことを、またごく最近一杯の紅茶の味によってそのイメージが戻ってきた多くの日々のことを、さらにまた思い出の結合によって、私がこの…

「プルーストの世界を読む」

この本↓はプルーストの小説「失われた時を求めて」第一篇「スワン家の方へ」第一章、「コンブレー」に限定して詳説されている。「失われた時を求めて」の基礎となる「コンブレー」をより深く理解するためには格好の書であると思う。プルーストの世界を読む (…

メゼグリーズの散歩道

そして涙をぬぐいながら、私はサンザシに約束した。大きくなっても、他の大人たちのばかげた暮らしぶりなどけっして真似しない、パリにいても、春になったら、知人を訪ねてくだらない話に耳を傾けるのではなく、最初に花開いたサンザシを見に田園に出かけて…

プルーストが愛した演奏

リンク先のid:tougyouさんの日記に、プルーストが愛した演奏ということでカペー弦楽四重奏団のYouTubeの映像がアップされていたhttp://d.hatena.ne.jp/tougyou/20080113。思わず聴き入ってしまう。 読書スピード さすがに再読となると読み進むスピードが初読…

コミック版「失われた時を求めて」

ちょうど2年前のぼくの日記http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20050123で取り上げた英語コッミック版の「失われた時を求めて」の邦訳が白夜書房から出版されていた。このコミックはとてもよく出来ている。 「コンブレーの鐘塔」の絵をブラッサイの「たそがれの…

はるかなコンブレーの鐘塔

そしておそらくそのときには、今しがたこの通行人に道をたずねたとき以上の不安にかられて、私はやはり自分のたどるべき道を求め、とある街角を曲がっているところなのだ…とはいえ…それは心のなかの街角だが……。

歌うベートーヴェン

真冬のパリの午後、一杯の紅茶と一口のマドレーヌから、コンブレーの思い出が溢れ出した語り手にはベートーヴェンのこのメロディが相応しいと思う。なぜなら、語り手が語るのは復活祭のコンブレーなのだから…。 それにしても美演。シェリング/ルービンシュタ…

プッチト・マドレーヌ

…それと同じに今や家にあるすべての花、スワン氏の庭園の花、ヴィヴォンヌ川の睡蓮、善良な村人たちとそのささやかな住居(すまい)、教会、全コンブレーとその周辺、その全てががっしりと形をなし、街も庭も、わたしの一杯のお茶からとび出してきたのだ。失…

コンブレー

結局、今回のプルースト、「失われた時を求めて」の再読も前回のときと同じような展開となってきた。第一回目は、抄訳版全三巻本を読み始めたのだが、かなり早い段階から全訳本も並行して読み進んでいったのだった。今回ももう既に上下二巻本と並行して全訳…

バレンボイムの「マイスタージンガー」

欧州では2008年2月新譜としてバレンボイム/バイロイトのワーグナー、「ニュールンベルグのマイスタージンガー」が発売される。我が国ではいつ発売だろうか。こちらhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20071008にアップしてあるものの製品化で、ジャケ写は→。やは…

コンヴィチュニーの「ローエングリン」

7月11日の日記http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20070711に書いた、小学校の教室を舞台に設定した、ペーター・コンヴィチュニー演出のワーグナーのオペラ「ローエングリン」前奏曲の映像をYouTubeで見つけたのでアップします。このヴァイグレの指揮は素晴らし…

新春特番

TBSで塩野七生さんの古代ローマの特番をやっている。 シーザーは言いました。 「ブルータスよ、おまえモカ?」 「いえ、ぼくはキリマン。」お後がよろしいようで…。

おやすみのキス

なぜなら苦悩は私の意志の及ばぬものであり、その苦悩を容易に避けられるもののように見せるのは、まだ次の苦悩と私とを引き離しているこの間隔だけであったから。の2断章。http://www.youtube.com/watch?v=zKU2iO-BCs8 ただし、読み始めたのは鈴木道彦教授…

眠りと記憶

普通私は、すぐまた眠ろうとはせずに、かつてコンブレーの大叔母の家で、バルベックで、パリで、ドンシエールで、ヴェネチアで、あるいはまたその他のところで、家の者の送った生活を思い起こし、それらの場所、そこで知った人々、その人々について見たこと…

失われた時を求めて

2008年1月3日の午後、マルセル・プルーストの小説「失われた時を求めて」を繙(ひもと)いてみた。2004年http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20041119に全巻を通して読んで以来、何度か再読しようと思ったのだが時期が尚、早過ぎたのかもしれない。丸三年後、四…

のだめカンタービレ予告編

1月4日、1月5日の両日、フジテレビで放送予定の「のだめカンタービレ」予告編。 それでは今年が皆様とわたくしにとって実り多き一年となりますように…。 ワーグナー:歌劇「タンホイザー」/シノーポリ指揮 [DVD]出版社/メーカー: ニホンモニター株式会社ドリ…

夕星の唄

昨年の秋からYouTubeに嵌まってしまった。YouTube で初めて観て感銘を受けた映像が多く、今年もしばらくはこの路線が続きそうだ。昨年末の三連休で観たワーグナーの「パルジファル」、シノーポリ/バイロイトの映像は特に感動した。2008年最初の日記はこのメ…

ワーグナーの「タンホイザー」

新年明けましておめでとうございます。