眠りと記憶

普通私は、すぐまた眠ろうとはせずに、かつてコンブレーの大叔母の家で、バルベックで、パリで、ドンシエールで、ヴェネチアで、あるいはまたその他のところで、家の者の送った生活を思い起こし、それらの場所、そこで知った人々、その人々について見たことや聞いたことなどを思い浮かべて、夜の大半を過ごすのだった。