サイモン・ラトルのブラームス
あれは何年前のことだろうか?
たしか、「蛇がピアス」とか、「蛇にもピアス」だったろうか、そういう動物虐待的題名で芥川賞を受賞、文壇に颯爽とデビューした若い女性作家さんがいらしたが、そのことはぼくに、フランソワーズ・サガンが
「悲しみよこんにちわ」で17歳の若さでベストセラー作家となったことを思い出させた。
サガンの「悲しみよこんにちわ」は映画化され、巷にセシール・カットと呼ばれるヘアスタイルを流行させたのだったが、第三作目の「ブラームスはお好き」は映画化されたときの題名が「さよならをもう一度」という別の表題になってしまったせいか、イングリッド・バーグマンのせいか、はたまたやはりブラームスのせいか、バックグラウンドミュージックとして用いられたブラームスの交響曲第三番第三楽章はセシール・カットに比べて大流行することもなく、いつしか忘れられてしまった。
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ぼくが心底ブラームスに惚れたのはオットー・クレンペラー/バイエルンの第四番を聴いてからである。
バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調 他 (Bach: Orchestersuite Nr.3 / Brahms: Symphonie Nr.4)
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以来、クレンペラーを凌ぐ演奏を求めて、数多くのブラームス第四を聴いてきたが、ようやくめぐり会えた感動の名演奏はhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20100127の日記に記したサバタ/ベルリンフィル盤である。
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もうこれで打ち止めかとも思えたのだが、偶然、数日前、或る方から奨められて聴いたラトル/ベルリンフィルの演奏、これが実に名演なのだな。
こんなブラームスの演奏が聴けるならきっと21世紀は素晴らしい時代になるに違いない、と思った。
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