2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

渋谷ジァンジァン-2

なぜ昨日の日記も今日の日記も『渋谷ジァンジァン』なのかといえば、サティを聴いているCDが高橋アキさんの演奏だからで、サティ没後50年ということで高橋アキさんがエリック・サティの連続演奏会をおこなったのが『渋谷ジァンジァン』だったからだ。 サティ…

エリック・サティ

『人間を知れば知るほど、私は犬が好きになる』 ↑フランスの作曲家エリック・サティ(1866-1925)の言葉。 彼の名前は知らなくても彼の曲、特に「ジムノペディ」はTVで良く流されているから知らない人は少ないだろう。 たとえば山口智子と木村拓也の「ロング…

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プルースト「スワン家の方へ」 おやすみのキス-3 「スワンは、例の浮気な奥さんのおかげでずいぶん苦労しているんでしょうよ。コンブレー中が知っていることだけど、奥さんは、シャルリュスさんとかって人と一緒に暮らしているんですから。これは町中の噂に…

ジョン・レノン、ビートルズ、コルトレーンとマイルスと三日続けて自分の「失われた時を求めて」日記となってしまった。 いままた、プルーストの「失われた時を求めて」を読んでいるが、抄訳版三巻本でもなければ全訳本でもない。1992年に集英社から出版され…

ラ・ボエーム

こうして出会ったショパンとジョルジュ・サンド(http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040720)はある晴れた日曜日の午後、仲睦まじく,評判となっていたある舞台を観るために、手と手をつなぎながら歩くのだった。 歩く通りはタンプル大通り(通称『犯罪大通り』…

2003/07/30(水) “コールド・ターキー”と映画『天井桟敷の人々』

感想日記-本・雑誌,感想日記-映画,感想日記-音楽 麻薬渦から自力で脱出する荒療治のことを“コールド・ターキー”というのだそうだ。マイルス・デイビスは外から鍵を掛け、禁断症状に耐えること12日間、ついに脱出できたときは「体中からチキンスープみたい…

新井和雄さんのこと

探していたジョン・コルトレーンのアンティーブ・ジャズ祭(仏)1965年のCDが見つかった。一聴、これは昔の思い出ではない、今も生きていて僕を感動させる演奏だった。 1966年7月、コルトレーン初来日、全16公演を聴こう!と決意した19才の青年がいた。名を…

「ビートルズ」来日時、インタビューに答えてジョン・レノンはこう言っている、 『ぼくたちを聴きたければレコードを聴いてほしい、 ぼくたちを見たければライブに来てほしい。』 名言だと思う。 ビートルズ来日の約一年後、ジャズの巨人ジョン・コルトレー…

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プルースト「スワン家の方へ」 おやすみのキス-2 もしスワンが手紙を読み、その意図を見抜いたら、さっきまで私の感じていた苦悩などすっかりばかにしたことだろう、と私は考えた。ところが事実は反対で、後になって分かったことだが、似たような苦悩は生涯…

僕は高校をずる休みしてビートルズ来日公演に行った 昨夜、ある方の日記http://d.hatena.ne.jp/kumiko36/を読んでいて思い出した、12月8日はジョン・レノンの命日だ。 僕は当時つき合っていたO女子大付属高校のYと、二人で学校をサボって、武道館にビート…

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プルースト「スワン家の方へ」 おやすみのキス だから、フランソワーズのなかには、気高く、理解されていない、非常に古いフランスの過去があるのだ、ということを考えないわけにはいかなくなる。ちょうどそれは工業都市のなかで、古い館がかつてそこに宮廷…

「一本の樫の木」

宗史朗さんのページhttp://d.hatena.ne.jp/So-Shiro/20041116で知った本「一本の樫の木ー淀橋の家の人々ー」がアマゾン書店から届く。今年は辻邦生全集http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040709が刊行されたり、プルーストに関連して森有正さんを想ったりした…

劇場的興奮の炎

オペラハウスでのライブの記録が持つ魅力の最大のものは臨場感であり、うしろを振り返らない推進力、爆発の大きさだと思うのだが、ワーグナーの「さまよえるオランダ人」で、もっともぼくを興奮、エキサイトさせた記録はハンス・クナッパーツブッシュが指揮…

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プルースト「スワン家の方へ」 眠りと記憶-2 なるほど、今はもう私もはっきり目覚めていた。 普通私は、すぐまた眠ろうとはせずに、かつてコンブレーの大叔母の家で、バルベックで、パリで、ドンシェールで、ヴェネチアで、あるいはまたその他のところで、家…

オットー・クレンペラーの指揮するライブ盤とスタジオ録音盤の二種のワーグナーの「さまよえるオランダ人」を聴き比べるということは“音楽する”、“音楽を楽しむ”ということについて、何らかの大きな意味を持つように思う。 クレンペラーが演奏会を開いた後に…

11月26日の日記http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20041126に書いた「クライバーが讃え、ショルティが恐れた男」洋泉社刊がオペラック社http://operac.comから届く。 なんとグッドオールは昨日の日記のオットー・クレンペラーが1961年、コヴェントガーデン王立…

クレンペラーのオランダ人

指揮者オットー・クレンペラーは1968年から1971年にかけてロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで先ず演奏会形式でオペラを上演し、その後英EMIにスタジオ録音をおこなうという作業を三つのオペラに対しておこなった。モーツアルトの「フィガロの…

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プルースト「スワン家の方へ」 眠りと記憶 長いあいだ、私は夜早く床に就いた。 いったい何時になったのだろう、と私は考えるのだった。汽車の汽笛が聞こえ、それは遠く近く、森にさえずる一羽の小鳥の歌声のように、たがいを隔てる距離を浮き彫りにしながら…

ライブ録音

「こういうライブ録音を聴くたびに思う。スタジオ録音って、いったいなんなのだ?」。 雑誌「レコード芸術」の「海外盤試聴記」に載っていた山崎浩太郎さんhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20041126の言葉。