『君こそは春!』ーなぜぼくはワーグナーを好きになったか?ー

霙まじりの雪が降っているこんな年末の冬の日こそ、早春の日差しを思わせるワーグナーの『ワルキューレ第一幕』、『君こそは春!』を聴きたくなってしまう。
もう何年くらい前だろうか?夏の終わりの週末、ぼくはあるバーで一人飲んでいた。
Rは友達と二人連れだった。他にカウンターには客はいなかった。話すとはなしに話し始めたのだが、Rは熱烈なベートーヴェン、そしてワーグナーのファンだった。
次に逢った時、Rはぼくにビデオを貸してくれた。
ワーグナーのオペラのビデオだった。
バレンボイム指揮/バイロイト音楽祭、ポネル演出の『トリスタンとイゾルデ』。

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そして、眠くなったら途中で眠って続きは翌日観ようという軽い気持ちで、土曜の夜12時過ぎから観始めたのだが、気が付いたら朝の4時だった。
時が過ぎるのも全く忘れて熱中してしまった!
その後Rとの関係は数カ月で喧嘩別れに終わってしまったが、ぼくとベートーヴェン、そしてワーグナーとの関係は今も続いている。