「歌に生き、恋に生き」(パリ・デビュー) (la callas... toujours Paris 1958) [DVD]アーティスト: カラス(マリア),ゴッビ(ティト),パリ・オペラ座合唱団出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン発売日: 2005/09/14メディア: DVD クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見るHMV レビュー

あのマリア・カラスhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20030909の『トスカ』が、初期盤LPの音質で復活!
カラスやカラヤンの数々の名盤を手がけたことで知られるウォルター・レッグが、『カラスの最高傑作』と述べたように、プッチーニhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040301の名作オペラ『トスカ』の1953年スカラ座録音の名声はもはや伝説の域に達しています。
当時の偉大な歌手三人、カラス、ディ・ステファノ、ゴッビが揃い、スカラ座の名音楽監督デ・サーバタhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040103が、最上の歌唱を引き出す統率力を発揮し、完璧を期しているので一瞬の緩みもありません。第一幕のフィナーレでは満足の行く仕上がりになるまで三度も録り直したといいうこの録音、オペラの全曲盤として、レコード史上に燦然と輝く最も偉大なセットの一つとされています。

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マーク・オバート=ソーンによる制作者後記より
この古典的名演が、これまで制作されたオペラ全曲盤の中で最も優れたスタジオ録音であることはほぼ間違いありません。過去半世紀に渡ってカタログから消えたことは一度もなく、様々なメディアに形を変えて幾度も再発売されています。しかし、マリア・カラス研究家ロバート.E.セレツキー博士が記しているように、これまでリリースされてきたソフトには、最新シリーズ中のCDも含めて、マスターテープと編集作業に起因する若干の問題点が残されています。
オリジナルのLPレコードには、盤面ごと、また同じ盤の中でさえもピッチの不一致がありました。編集ミスもあり、唐突に目立って現われる音量のばらつきもあります。過去のCD復刻盤では、こうした問題のいくつかが、訂正されていたり、そうでなかったりしました。無理にピッチの平準化をしようとして、一分半近くも演奏時間が伸びてしまい、テンポと歌手の音色がオリジナルと違って聴こえてくるものもありました。
今回のNAXOS盤の復刻に当たり、私は10セット以上の『トスカ』LP盤を組み合わせ、8週間の大部分を復刻作業、試聴、比較に費やし、何度も計画をやり直しました。この結果にはとても満足しています。