第二章「デイジー校長の学校で」

  • 授業風景

“牡鹿の”マリガン、へインズと別れたスティーブンは生徒達を相手に授業をしている。授業をしながら、心に浮かぶスティーブンのそう遠くはない過去のことども。

  • 月給

デイジー校長からサラリーを受け取るスティーブン。それでも借金の全額返済にはまったく足りない。『君は他人に借金をしないで生きてきたと自信を持って言えるかね』と校長に問われるスティーブン。

デイジー校長はこう言う。『ユダヤ人は光りに背いたのです。彼らの暗い目を見ればそれがわかります。だから彼らは今日に至るまで地球上をさまよわなければならないのです。』そしてデイジー校長はこう続ける。『アイルランドは、名誉なことに、ユダヤ人を迫害しなかった唯一の国だそうです。なぜならユダヤ人を決してこの国に入れなかったからです。』

  • 大事な原稿

家畜の伝染病「口蹄疫*1の予防に関する自筆原稿を二部、新聞に載せてもらおうとスティーブンに託すデイジー校長。

*1:狂牛病ではない。