補遺

ヴィクトール・デ・サバタの「運命」の新譜が5月にフランスのTHARA社から発売されるのをご存知だろうか?以前THA499として発売されていたもので、1950年、NY、カーネギーホールでニューヨークフィルを振ったときのライブ。YouTubeにあったので、貼…

ベートーヴェン交響曲第五番

前回の日記で取り上げたオットー・クレンペラーのCDは二枚とも第五番が付いている、というか、第四、第五のカップリングなので、もうこのクレンペラーの第五に耳を澄ませばそれで充分なのだが、おっとどっこい、第五にはクレンペラーに対する強敵が控えてい…

ベートーヴェン交響曲第四番

優秀な兄のひでお(英雄)さんと、人気者の弟だいご(第五)君の間に挟まれた次男のよっちゃん(4っちゃん)はなかなかのくせもの(曲者)、いたずらっ子である。一筋縄ではいかないのだ。けれどもよっちゃんは名タクトに触発されればその素晴らしさ、くせ…

フルトヴェングラーの「英雄」

前回の日記でご紹介したのはサバタの第三番「英雄」だが、昨年まではベートーヴェンの交響曲第三番といえば、自分的には、これはもうフルトヴェングラーの独壇場であった。クレンペラーの「英雄」は正しい「英雄」である。とても良い解釈、演奏である。これ…

ベートーヴェン交響曲第三番「英雄」

ベートーヴェンのエロイカだけはオットー・クレンペラーで、と言う訳にはいかない。 第三番だけはフルトヴェングラー指揮のものを愛聴してきたが、ここにきてデ・サバタ/ロンドン・フィルに圧倒されている。 まるでフルトヴェングラーの「トリスタンとイゾル…

ベートーヴェン交響曲第二番

オットー・クレンペラーの指揮するベートーヴェン交響曲群はいずれも凛とした品格があってたいへん素晴らしい。「クラシカ・ジャパン」設立当初に放映された英国BBCの“クレンペラー・ベートーヴェン全曲放送”録画映像はクレンペラーの指揮姿とともに我が宝物…

ベートーヴェン交響曲第一番

母の状態が悪化したときに、無意識に手を伸ばして棚から取り出し、プレーヤーに架けたのは図らずもアルトゥーロ・トスカニーニが手兵のNBCオーケストラを振ったものではなく、BBCオーケストラを振ったNAXOS盤だった。 数あるベートーヴェン交響曲第一番の録…

ベートーヴェン連続鑑賞記

3月23日に母が他界した。花を愛し、歌を愛した母だった。母を失った前後、約2ヶ月に亘ってぼくはベートーヴェンの交響曲を聴いていた。ようやく、母の死を心の中のあるべき位置に置くことが出来つつあるぼくにとって、ベートーヴェンのシンフォニー群はその…

チック・コリア初登場

ぼくはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」が好きで、いろいろな演奏を聴いてきたのだが、マイ・ベスト・スリーの演奏中に入る音の記録を残してくれたのがヴィクトール・デ・サバタなのだった。デ・サバタはあのトスカニーニの跡を次いでミラノ・スカラ座…

ラモーを聴きながら…

サバタのブラームス第4に感動して、サバタが指揮するワーグーナー「トリスタンとイゾルデ」から「イゾルデの愛の死」の動画を貼り付けるのではあまりにも当たり前。ここはこの1週間良く聴いたオットー・クレンペラーの「ラモー」を聴きながら…、帰し方・行く…

我が愛しのブラームス

日記の更新が滞ってしまったのには訳がある。新年になってから或る指揮者に心を奪われてしまったからだ。この数週間、彼の指揮するCDを聴くことに集中し過ぎてしまった。疲れて、さてブログを更新しようかと、久しぶりに、まさかYouTubeにアップされているは…

アルプス交響曲聴き比べ

ローラン・プチのバレエ「失われた時を求めて」はHNVで購入したのだが、例の3品購入で30%引きというキャッチフレーズに惹かれて、クナッパーツブッシュとティーレマンの指揮をワーグナー以外でも聴き比べてみようと思い、リヒヤルト・シュトラウスの「ア…

バレエ「失われた時を求めて」

前回の日記に書いたパリ・オペラ座バレエ「プルースト〜失われた時を求めて」を観る。そもそもチャィコの「白鳥の湖」はおろか、ワーグナーの「タンホイザー」でさえも、バレエのシーンは避けたがるほどのバレエ音痴のぼくが、飽きずに最後までこの映像を観…

バレエで観るプルースト

昨夜、“パリ管弦楽団”で検索していたらパリ・オペラ座バレエの“PROUST”と題されたDVDを発見した。 さっそく観てみようと思う。ローラン・プティ (Roland Petit, 1924年1月23日生)の振り付けと、マニュエル・ルグリのシャルリュス男爵が凄いらしいぞ。http:…

三兄弟

2009年12月30日にティーレマンの「マイスタージンガー」を鑑賞、感銘を受けたため、大晦日から元旦にかけて、ティーレマンの「トリスタン」から始まり、クライバー、ベームと聴き比べをしてしまった。ドイツ・グラモフォンの「トリスタンとイゾルデ」三兄弟…

ティーレマンのマイスタージンガー

2008年、ウィーン国立歌劇場でのクリスチアン・ティーレマン指揮、ワーグナー“ニュールンベルグのマイスタージンガー”のライブ映像を観た。いままで聴いてきたマイスタージンガーとは全然違う、とても瑞々しい、新鮮な感動を覚えた。名演!2003年、やはり同…

新型インフルエンザと手の湿疹

例年、秋から冬にかけてはいわゆる“手の湿疹”でお悩みの方が増える時期なのだが、今年はいつにも増して、初めて“手の湿疹”が出来てしまいました、とか、夏の終わり頃から急に“手の湿疹”が酷くなりました、とか訴えておみえになる方が多い。一昔前は“手の湿疹…

スマートフォンとスマートグリッド

右の写真はドコモ初めての「グーグル携帯」。 米グーグル、独自の携帯電話端末を来年にも販売へ、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091213-00000122-reu-bus_all との報道が昨日あった。 これで前回の日記に書いたスマート・グリッドの世界で、グーグル…

スマートグリッド

本日のテレビ朝日「報道ステーション」で「スマートグリッド」が紹介されていた。http://www.accenture.com/Landing_Pages/By_Location/Japan/SmartGrid.htmなかでもぼくが最も惹かれたのはあのGoogleが“グーグル・パワー・メーター”で参加しているという話…

フィデリオ

音楽評論家の吉井亜彦さんはその著書「名盤鑑定百科 声楽曲・オペラ篇」のなかで、ベートーヴェン唯一のオペラ作品である「フィデリオ」について、下記のように述べておられる。 …しかし、しかしである。ぼくが内心ひっかかるところがあるのは、これだけ数多…

笹尾光彦展

ぼくの日記http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20080322でご紹介した笹尾光彦さんが11月13日金曜日から渋谷区道玄坂のBunkamurahttp://www.bunkamura.co.jp/ギャラリーで第12回笹尾光彦展を開かれるという。 ぜひ、行ってみたい。パリの花屋さん。作者: 笹…

凄い時代

「団塊の世代」の名付親、堺屋太一さんの新作、「凄い時代」を読んだ。混迷の現代を論理明快にズバズバ斬り刻んでいくさまは読んでいて気持ちが良い。深まりゆく秋空のもと、バルザック像の前で、しばし二十一世紀の世界を、そして日本を考えてみる…。 凄い…

神々の黄昏

9月22日(火)の深夜、というか23日(水)の早朝というべきか、いまとなっては定かではないがジークフリートによってその長い眠りから目覚めたブリュンヒルデと入れ替わるように眠りに就いたぼくは23日(水)の午後、目覚めても続きを観る気力が湧いてこない…

ジークフリート

連休三日目の今日はワーグナーの「ニーベルングの指環」、アムステルダム・リングの第三日「ジークフリート」を鑑賞。まずDVDでアムステルダム・リングの第一幕を鑑賞し、ついでカイルベルトのステレオ・リングでヴィントガッセンの名唱を堪能。カイルベルト…

ワルキュ−レ

四連休二日目の今日はワーグナー「ニーベルングの指環」第一日目の「ワルキューレ」を鑑賞。アムステルダム・リング、序夜の「ラインの黄金」の出来が良かったために期待したのだが、結果はやや不満足な点を残すものだった。そのまず第一は、オーケストラの…

シルバーウィーク

四連休である。三連休でもなければ五連休でもない、四連休である。四連休ともなればワグネリアンにとってやることは一つしかない。ということで、降って沸いたような今年秋の四連休はOpus Arte 二作目の「ニーベルングの指環」、オランダ、アムステ…

世界の中心で愛を叫ぶ

NHK教育テレビ3で放映された「知る楽・選」“人物伝・森有正”という番組を見た。内容は小説「世界の中心で愛を叫ぶ」を書いた作家の片山恭一さんが、自らの書斎で、哲学者森有正さんについて語ったもので、うん、うん、現在(いま)の人には森さんはこういう…

バッハのゴルトベルク変奏曲聴き比べ

バッハのゴルトベルク変奏曲聴き比べYouTubeならではの日記を書いてみよう。まずは聴き比べてみてください。 ヘルムート・ヴァルハとキース・ジャレット、初めて彼等の演奏を聴いたときは、「品格」が違う!と思ったものだ。そう、「ハケンの品格」の大前春…

消え去ったアルベルチーヌ

酒井法子容疑者は失踪五日後、出頭、逮捕されたが、アルベルチーヌは語り手の前から失踪したまま、ついに帰らぬ人となってしまった。ドストエフスキーの新訳、『カラマーゾフの兄弟』で一躍有名になった光文社古典新訳文庫から、マルセル・プルーストの小説…

カビアレルギーとアトピー

明日は“海の日”だ。鬱陶しかった梅雨も明けて、海やプール等、水辺は、夏のひと時を楽しむ方々で賑わうことだろう。そんな“海の日”に相応しいと思う以下の二例のアトピーのかたをご紹介。先ず一番目の方はY.M.さん、22歳、女性。Y.M.さんも小学校低学年の頃…