フルトヴェングラーの「英雄」
前回の日記でご紹介したのはサバタの第三番「英雄」だが、昨年まではベートーヴェンの交響曲第三番といえば、自分的には、これはもうフルトヴェングラーの独壇場であった。
クレンペラーの「英雄」は正しい「英雄」である。とても良い解釈、演奏である。これに比べてフルトヴェングラーの「英雄」は妖しい「英雄」である。どちらがエロいか、といえばこれは圧倒的にフルヴェンのほうである。というわけでベートーヴェンの交響曲第三番「エロイカ」はフルトヴェングラーの指揮するものを7種類ほど聴いてきた。
1)1944年12月ウィーンフィル
2)1947年11月ウィーンフィル
3)1950年6月ベルリンフィル
4)1952年11月スタジオ録音ウィーンフィル
5)1952年11月スタジオ録音後ウィーンフィル
6)1952年12月ベルリンフィル
7)1953年8月ルツェルン祝祭オーケストラ
以上の7演奏の音源である。
このなかで人気が高いのは1)のいわゆる「ウラニアのエロイカ」と4)の正式スタジオ録音盤の二種類だが、ぼくは1)では平林直哉さんのCDを、4)では太田憲志さんのそれを愛聴している。
太田憲志さんはそのライナーノーツでとても素晴らしいことを書いておられる。以下に引用したい。
若い方にはこれからの長い人生の供となり、厳しい世の中で戦っているミドル世代の方には今日を生き抜くための活力となり、人生のベテランの方には今一度、生命の輝きを呼び起こす、そんなCDになるに違いありません。
まさに仰るとおりの素晴らしい復刻盤だと思う。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2811114
- アーティスト: ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
- 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
- 発売日: 2007/09/26
- メディア: CD
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