2004-01-01から1年間の記事一覧

渋谷ジァンジァン-2

なぜ昨日の日記も今日の日記も『渋谷ジァンジァン』なのかといえば、サティを聴いているCDが高橋アキさんの演奏だからで、サティ没後50年ということで高橋アキさんがエリック・サティの連続演奏会をおこなったのが『渋谷ジァンジァン』だったからだ。 サティ…

エリック・サティ

『人間を知れば知るほど、私は犬が好きになる』 ↑フランスの作曲家エリック・サティ(1866-1925)の言葉。 彼の名前は知らなくても彼の曲、特に「ジムノペディ」はTVで良く流されているから知らない人は少ないだろう。 たとえば山口智子と木村拓也の「ロング…

失われた時を求めて(上)作者: マルセル・マルセル・プルースト,マルセル・プルースト,鈴木道彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 1992/06/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (26件) を見る

プルースト「スワン家の方へ」 おやすみのキス-3 「スワンは、例の浮気な奥さんのおかげでずいぶん苦労しているんでしょうよ。コンブレー中が知っていることだけど、奥さんは、シャルリュスさんとかって人と一緒に暮らしているんですから。これは町中の噂に…

ジョン・レノン、ビートルズ、コルトレーンとマイルスと三日続けて自分の「失われた時を求めて」日記となってしまった。 いままた、プルーストの「失われた時を求めて」を読んでいるが、抄訳版三巻本でもなければ全訳本でもない。1992年に集英社から出版され…

ラ・ボエーム

こうして出会ったショパンとジョルジュ・サンド(http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040720)はある晴れた日曜日の午後、仲睦まじく,評判となっていたある舞台を観るために、手と手をつなぎながら歩くのだった。 歩く通りはタンプル大通り(通称『犯罪大通り』…

2003/07/30(水) “コールド・ターキー”と映画『天井桟敷の人々』

感想日記-本・雑誌,感想日記-映画,感想日記-音楽 麻薬渦から自力で脱出する荒療治のことを“コールド・ターキー”というのだそうだ。マイルス・デイビスは外から鍵を掛け、禁断症状に耐えること12日間、ついに脱出できたときは「体中からチキンスープみたい…

新井和雄さんのこと

探していたジョン・コルトレーンのアンティーブ・ジャズ祭(仏)1965年のCDが見つかった。一聴、これは昔の思い出ではない、今も生きていて僕を感動させる演奏だった。 1966年7月、コルトレーン初来日、全16公演を聴こう!と決意した19才の青年がいた。名を…

「ビートルズ」来日時、インタビューに答えてジョン・レノンはこう言っている、 『ぼくたちを聴きたければレコードを聴いてほしい、 ぼくたちを見たければライブに来てほしい。』 名言だと思う。 ビートルズ来日の約一年後、ジャズの巨人ジョン・コルトレー…

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プルースト「スワン家の方へ」 おやすみのキス-2 もしスワンが手紙を読み、その意図を見抜いたら、さっきまで私の感じていた苦悩などすっかりばかにしたことだろう、と私は考えた。ところが事実は反対で、後になって分かったことだが、似たような苦悩は生涯…

僕は高校をずる休みしてビートルズ来日公演に行った 昨夜、ある方の日記http://d.hatena.ne.jp/kumiko36/を読んでいて思い出した、12月8日はジョン・レノンの命日だ。 僕は当時つき合っていたO女子大付属高校のYと、二人で学校をサボって、武道館にビート…

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プルースト「スワン家の方へ」 おやすみのキス だから、フランソワーズのなかには、気高く、理解されていない、非常に古いフランスの過去があるのだ、ということを考えないわけにはいかなくなる。ちょうどそれは工業都市のなかで、古い館がかつてそこに宮廷…

「一本の樫の木」

宗史朗さんのページhttp://d.hatena.ne.jp/So-Shiro/20041116で知った本「一本の樫の木ー淀橋の家の人々ー」がアマゾン書店から届く。今年は辻邦生全集http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040709が刊行されたり、プルーストに関連して森有正さんを想ったりした…

劇場的興奮の炎

オペラハウスでのライブの記録が持つ魅力の最大のものは臨場感であり、うしろを振り返らない推進力、爆発の大きさだと思うのだが、ワーグナーの「さまよえるオランダ人」で、もっともぼくを興奮、エキサイトさせた記録はハンス・クナッパーツブッシュが指揮…

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プルースト「スワン家の方へ」 眠りと記憶-2 なるほど、今はもう私もはっきり目覚めていた。 普通私は、すぐまた眠ろうとはせずに、かつてコンブレーの大叔母の家で、バルベックで、パリで、ドンシェールで、ヴェネチアで、あるいはまたその他のところで、家…

オットー・クレンペラーの指揮するライブ盤とスタジオ録音盤の二種のワーグナーの「さまよえるオランダ人」を聴き比べるということは“音楽する”、“音楽を楽しむ”ということについて、何らかの大きな意味を持つように思う。 クレンペラーが演奏会を開いた後に…

11月26日の日記http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20041126に書いた「クライバーが讃え、ショルティが恐れた男」洋泉社刊がオペラック社http://operac.comから届く。 なんとグッドオールは昨日の日記のオットー・クレンペラーが1961年、コヴェントガーデン王立…

クレンペラーのオランダ人

指揮者オットー・クレンペラーは1968年から1971年にかけてロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで先ず演奏会形式でオペラを上演し、その後英EMIにスタジオ録音をおこなうという作業を三つのオペラに対しておこなった。モーツアルトの「フィガロの…

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プルースト「スワン家の方へ」 眠りと記憶 長いあいだ、私は夜早く床に就いた。 いったい何時になったのだろう、と私は考えるのだった。汽車の汽笛が聞こえ、それは遠く近く、森にさえずる一羽の小鳥の歌声のように、たがいを隔てる距離を浮き彫りにしながら…

ライブ録音

「こういうライブ録音を聴くたびに思う。スタジオ録音って、いったいなんなのだ?」。 雑誌「レコード芸術」の「海外盤試聴記」に載っていた山崎浩太郎さんhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20041126の言葉。

ロッシーニ: 歌劇《ランスへの旅》アーティスト: ロッシーニ,クラウディオ・アバド,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,ルチア・ヴァレンティーニ・テッラーニ,ルチアーナ・セッラ,ウィリアム・マッテウッツィ,ルッジェーロ・ライモンディ,サミュエル・レイミー,シェリル・スチューダー,シルヴィア・マクネアー出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ発売日: 1993/12/12メディア: CD クリック: 9回この商品を含むブログ (1件) を見る

■ドンペリ シャンパーニュ地方は古都ランスを中心に発泡性ワイン「シャンパン」の産地としても世界的に知られる。シャンパンの製法を考案したのは17世紀の修道士ドン・ペリニョン。この地方で製造されたもの以外はシャンパンと名乗ることができない。 ■ランス…

川の流れ

川が流れております。 岸辺の草花を洗いながらたゆまず流れ続ける川をながめますと、 なにやら私の心まで洗い流される気がして参ります。 そうしていつしか思いおこされるのは私の子供の頃のことでございます。 私は川のほりで生まれ、川で遊び、川を眺めな…

ロングバケーション

昨日の日記に書いたグレン・グールドのピアノ・ソロ、「運命」は、『TVドラマ、「ロングバケーション」でキムタクによってコメントされたため、グレン・グールドによるベートーヴェン作曲リスト(ワーグナーの義父http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040717)…

ローエングリン

今日のスポーツうるぐすは柴田倫世アナの最後の登板だった。柴田アナは最後の競馬予想で「ローエングリン」http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040405を挙げていた。

ピアノ版ワーグナー・コンサート

プレイズ・ワーグナーアーティスト: グールド(グレン),ワーグナー,グールド出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ発売日: 1998/10/01メディア: CD クリック: 7回この商品を含むブログ (4件) を見るヴェルデュラン夫人の夜会http://d.hatena.ne.jp/m…

「バスに乗り遅れて田舎の畦道を一人で歩いているうちに日が暮れちまってね、暗い坂道を心細く歩いていると……ポツンと一軒の農家が建っているんだ。……りんどうの花が庭いっぱいに咲いていてね。あけっ放した縁側から、灯りのついた茶の間で、家族が食事をし…

アマゾン書店に予約注文していたワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」のDVDがまだ発送されない。11/24発売予定となっているから、どうやら発売が遅れているようだ。

クリスマス・マチネー・コンサート

マチネーときけば二年前はハイティンク/コンセルトヘボウのクリスマス・マチネーを思い出していたのにいまでは「ゲルマント大公邸のマチネー(午後の集い)http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040628」を思い出すようになってしまっていた。

ワーグナー輸入通販ショップ「オペラック」http://operac.comに山崎さんの著作が紹介されていたのである。あの伝説の指揮者レジナルド・グッダール(1905-1990)についてだそうである。しかも、それに加えて「オペラック」にはグッダールの指揮するワーグナー…

『花は桜木、男はピンツァ』

オペラ三昧をしていたころ、雑誌「レコード芸術」のHMV・PRページに掲載されていた山崎浩太郎さんのエッセイの題名である。当時から山崎さんのエッセイはとっても面白くて毎号毎号読むのが楽しみだった。 その文章の内容からして山崎さんはかなり年輩の方か…

昨夜、三宅幸夫さんの以下の文章を読んで、そのあまりにも核心を衝いた表現に、ただただ驚嘆している。 三宅さんは言う、 『…。その頃*1カルロス・クライバーは隙間の多い構造のオペラ(たとえば「魔弾の射手」)を緊張の糸が張り詰めた音楽に仕立て上げる能…