川の流れ

川が流れております。
岸辺の草花を洗いながらたゆまず流れ続ける川をながめますと、
なにやら私の心まで洗い流される気がして参ります。
そうしていつしか思いおこされるのは私の子供の頃のことでございます。
私は川のほりで生まれ、川で遊び、川を眺めながら育ったのでございます。
きれいな川の流れに出会いますと
柄にもなくもの悲しい気分になって川を眺めてしまうのはそのせいかもしれません。
今頃、故郷に残した私の両親たち…
たった一人の妹さくら、その夫の博、息子の満男、おいちゃん、おばちゃんたちはどうしているのでございましょうか。
そうです。
私の故郷と申しますのは、東京は葛飾柴又、江戸川のほとりでございます。
男はつらいよ」第44作「寅次郎の告白」より。
ん?川?川といえばヴィヴォンヌ川http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040821を思い出す語り手だった。