夏の名残のバラ

mii06252010-08-09

暦のうえでは「立秋」である。

今夜、世田谷では12時すぎてから雨が本降りになった。

YouTubeで「夏の名残の薔薇」と検索すると↓の映像が見つかった。


アイリッシュローズといえば本家ほんもとキース・ジャレットの演奏するマイ・ワイルド・アイリッシュローズが…

↑ついにYouTubeにもアップされました。

さて、薔薇は薔薇でもバラばらな最後は伊東ゆかりさんのバラなどいかがでしょう。それにしても和田アキ子さんの若いこと…。


The Melody At Night, With You

The Melody At Night, With You

アスリートの足

梅雨真っ最中である。高温・多湿のこの時期、足の痒みでおみえになるかたの多くは「みずむし」を心配していらっしゃる。

英語で「みずむし」のことを何と言うかご存知だろうか?

英語で「みずむし」は「アスリートの足」athlete's foot という。

「アスリート」という英単語は最近“トップアスリート(top athlete)”とか、その他いろいろカタカナでも使われる機会が多くなり一般化しつつある。

「みずむし」の原因はみずむし菌というカビの皮膚への感染で起きる。だからカビキラーを噴霧してごしごし擦って綺麗にしてあげればもとのピカピカの状態に戻る、というのは無機物質のはなしで、人間のような有機体生物の場合はそうはいかない。

「みずむし」の部分をゴシゴシ洗うのは角質層を傷つけたり、他の化膿菌を増殖させたりしてよけい「みずむし」を悪化させてしまうことがあるので要注意である。

「みずむし」で困るのはみずむし菌(真. 菌)に対して遅延型アレルギーを持っているかたの場合だ。遅延型アレルギーというのは金属アレルギーと同じタイプで、花粉症型のアレルギーとは異なる。

いずれにしてもお餅は早く食べないとカビが生える。

でも足を食べることは無理だからカビが生えないように、素足になるところなど、充分注意をしないといけない。

「ジェントルマンの極意」

mii06252010-06-27

6月23日水曜日の夕刻、S先生と約一年ぶりにお会いし、スペイン料理をご馳走になった。

2010年は母の死を予感し、新年早々から精神的に緊張していたのだろう。ベートーヴェンのナイン・シンフォニーを改めて聴き直すという作業を行っていた。

母は3月に亡くなり、ベートーヴェンの第九番「合唱」の第三楽章のメロディを心の中で詠いながら母の墓前で「合掌」するという、ベートーヴェンのナイン・シンフォニーを聴き直すという行為の途中から心の中に浮かんだ親父ギャグを実践することが出来た。

ところが翌4月、母の死から一ヶ月経つか経たないかのうちに、恩師N教授の奥様が世を去ってしまわれた。

N教授の奥様はやはり皮膚科医で、北京で行われた日中皮膚科学会で長期間ご一緒したり、教授宅で毎年行われた新年会でお好きな映画やご旅行のことなど色々お話し、親しくしていただいていただけに、教授の奥様の死は母の死に重くかさなって、ぼくの「喪失感」をとても強くしたと思う。

ベートーヴェンのナイン・シンフォニーが依然としてぼくの心に鳴り続ける日々が続いた。

けれどもようやく、6月となり緊張が徐々に解れて来たときのS先生との再会であった。会食の時間はあっという間に過ぎ、別れ際にS先生は『今年の春に三笠宮寛仁殿下と対談した本が出版されましたから読んで下さい』と仰った。

で、例のアマゾン書店の翌日配達サービスを利用して購入、一読し、まるで自分が10代〜20代に帰ったような気分になり、ようやく、母の死を、そして教授の奥様の死を自分の心のなかの引き出しのあるべき位置にしまうことが出来たような気持ちになった。

2010年は初頭から6月初めまでは、やはり、「我が心は石にあらず」との思いが強い日々を過ごしたのであろう。

(水)にS先生とお会いし、(木)〜(金)に寛仁親王のご著書を読んで、(土)に聴きたくなった曲はベートーヴェンではなかった。

1Q84」で話題を呼んだ村上春樹さんはぼくと同い年である。彼は早稲田大学を卒業してから千駄ヶ谷でジャズ喫茶を営んでいたが、ぼくも中学・高校から大学卒業までジャズばかり聴いていた。

2010年6月26日の深夜に突然聴きたくなって、聴いて、心に沁みた曲はジャズである。ハードバップでもなければモダンやアヴァンギャルドでもない。単なるジャズの小唄だ。

ぼくは↑この曲のテンポ、リズム、そして声の暖かさを大切にして日々を過ごしていきたい、と思った。

今ベールを脱ぐ ジェントルマンの極意

今ベールを脱ぐ ジェントルマンの極意

フルトヴェングラーの「英雄」

mii06252010-06-02

フルトヴェンフラーは1952年の秋、11月27日の演奏に続いて、その3日後同じウィーン・フィルと、そしてその約一週間後の12月8日にはベルリン・フィルと、ベートーヴェンの「英雄」を指揮し演奏した。

その三種類の演奏の記録を聴き比べてみる、などということは真に贅沢なことだとぼくは思うのだが、この数日、真剣にこのフルトヴェングラーの至芸を味わったのだった。

11月27日の演奏はスタジオ録音なので、ミスも補正されほぼ完璧な「英雄」が聴ける。一般的にはこの盤で十分だろう。

けれども11月30日、ウィーン・ムジークフェライン・ザールでのライブではスタジオ・セッション直後なのでアンサンブルは完璧に出来上がっており、それに加えて“劇場的な情熱の炎”の煌めきが華を添えてぼくは最も感動したのだった。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3781700

最後のベルリン・フィルとのセッションは放送用音源であり、テタニア・パラストでのライブである。ベルリン・フィルならではの重戦車的推進力が加わっていて、これはこれでやはり感動的であった。

手に水泡

今年は例年にも増して「手に水泡が出来て、痒くてたまらない」ということで受診される方が多い。

拝見すると、みなさん、例の「汗疱」(カンポウ)http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20050307
である。

図を描いて説明し、けっして水虫では無いこと、水虫のご心配は要らないこと、内臓が悪いわけではないこと、アトピーではないことをお話すると皆さん安心されて納得してくださる。

朝は札幌、昼は沖縄、みたいな気候が東京でも続いているせいで、気温が安定してくれば出現しなくなる。気温の日内変動(にちないへんどう)が大きいと出現するのが汗疱の特徴である。

掻き過ぎて湿疹化したときにのみステイロイド剤の外用を投与することもあるが、普通はステロイド剤を投与することは必要ない。

保冷剤によるcoolingが汗疱の痒みにはとても良く効く。試してみては如何でしょう。

ベートーヴェン交響曲第九番「合唱」

mii06252010-05-16

ベートーヴェン最後のシンフォニー第九番「合唱」のわが愛聴盤は前回の日記に記したとおりオットー・クレンペラー/コンセルトへボウ盤である。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1227302
クレンペラーの第九では植村攻さんも詳述されておられるが、↓こちらがたいへん評判がよろしい。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/124465
さらに1960年のウィーン芸術週間における↓こちらの名演

http://www.hmv.co.jp/product/detail/431044
加えて翌年秋の↓こちらの演奏

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1914041
さらには↓映像まである。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1811020
いずれの演奏も、クレンペラーらしく焦らず力まず落ち込まず、うちに潜めた情熱の炎はチラッとも見せずに冷静沈着、穏やかに、けれども最後には熱いものがこみ上げてくる名演である。

最近のリマスタリング技術の向上には目を瞠るものがあり、↓の2つのオタケン盤は第九の好きな方にはとても良いと思う。
フルトヴェングラーの第三楽章と、

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2559502
トスカニーニの歌心は、どちらも永遠に素晴らしい。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2655841

巨匠たちの音、巨匠たちの姿―1950年代・欧米コンサート風景

巨匠たちの音、巨匠たちの姿―1950年代・欧米コンサート風景

ベートーヴェン交響曲第八番

mii06252010-05-12

第五、第六、第七と傑作シンフォニーを続けて作曲してきたベートーヴェンも、ここにきてちょっと一服、次の超大作第九に向けて肩の力を抜いたリラックス作品として書いたのがこの第八番である。

しかし、逆に言えば肩の力を抜いただけに、聴き手も妙に力まずにリラックスしてベートーヴェンのユーモラスな作品に和めてたいへんよろしい。

そんな和みの第八の名演を聞かせてくれるのは、世評ではシュミット・イッセルシュテットウィーンフィル盤が名高いが、ぼくのようなクレンペラー・フリークにとってはやはり↓こちらである。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1227302
この盤は次の第九とセットになっていて、この第九がベストな名演であり、第八と併せてお奨めである。ところが今年になって強敵が現れた。例のヴィクトール・デ・サバタの第八である。

一聴、これは凄い第八である。ぶっぱやい、チョー歯切れの良い、乗りに乗った第八である。必聴の名演と思う。



http://www.hmv.co.jp/product/detail/948433