フルトヴェングラーの「英雄」

mii06252010-06-02

フルトヴェンフラーは1952年の秋、11月27日の演奏に続いて、その3日後同じウィーン・フィルと、そしてその約一週間後の12月8日にはベルリン・フィルと、ベートーヴェンの「英雄」を指揮し演奏した。

その三種類の演奏の記録を聴き比べてみる、などということは真に贅沢なことだとぼくは思うのだが、この数日、真剣にこのフルトヴェングラーの至芸を味わったのだった。

11月27日の演奏はスタジオ録音なので、ミスも補正されほぼ完璧な「英雄」が聴ける。一般的にはこの盤で十分だろう。

けれども11月30日、ウィーン・ムジークフェライン・ザールでのライブではスタジオ・セッション直後なのでアンサンブルは完璧に出来上がっており、それに加えて“劇場的な情熱の炎”の煌めきが華を添えてぼくは最も感動したのだった。

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最後のベルリン・フィルとのセッションは放送用音源であり、テタニア・パラストでのライブである。ベルリン・フィルならではの重戦車的推進力が加わっていて、これはこれでやはり感動的であった。