あのひと

mii06252006-09-23


わたしたちは、あの人この人を思い出し、

その人がその後どのように暮らしているだろうかと考え、

その人が歩道をもう歩いてはいないし、

声がほかの人びとの声にまじって響くこともなくなり、

永久に舞台から姿を消してしまい、

町の門を出たどこかに埋められているということを、

ふと、ふいに思い出す。

以上で「ブッデンブローク家の人びと」、読了です。

ブッデンブローク家の人びと 下 (岩波文庫 赤 433-3)