たまごっち、あるいは、あの頃君は若かった!
たまごっちが流行したのは何時頃だったろう、それ程昔のことではないような気がするが、今や忘れられた存在である。
僕が高校時代に愛聴していたLPにビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビー」http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20031201がある。
これは61年N.Y.のジャズ・クラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」でのライブ盤、その後エバンスは亡きスコット・ラファロの後任にチャック・イスラエルを迎えて「トリオ65」を録音した後、イギリスのBBC放送テレビ部門で30分ジャズ番組シリーズ「JAZZ625」に2回分出演した。

JAZZ625 ビル・エヴァンス I&II [DVD]

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625とは市川正二さんの解説によればテレビの走査線を意味し、当時としては画期的な解像度を誇るものだったらしい。このシリーズがVAPビデオ社から2003年に世界で初めてDVD化されたのでさっそく購入し、先週の日曜日に初めて鑑賞することが出来た。
エバンスは僕にとっては聴き始めてから30年以上、今でも時々聴いていて、たまごっち(忘れられた存在)にはなっていないが、この映像もたしかに“あの頃君は若かった”し、僕も若かったが、そういうセンチメンタリズムを超えて心に訴える真実の演奏、音楽があって、感動した。