工藤庸子著「砂漠論」
工藤庸子放送大学教授著「砂漠論」読了。
「ヨーロッパ文明批判序説」が東京大学教授のときの研究の書であるのに対し、「砂漠論」はエッセイ集なので、無事読了できた。しかしエッセイ集といっても、読み・解釈は深く、示唆に富むものばかりである。けれども、まったく意外にも第四部にバルザックの「ランジェ公爵夫人」論が書き下ろしで載っているのだった。
ぼくは高校時代、国語の先生からバルザックは絶対面白いから読んでみたらと薦められ、「ゴリオ爺さん」、「従妹ベット」「従兄ポンス」を読んだ。
近年、生誕200年を記念して藤原書店から鹿島茂監修「人間喜劇」セレクションが出版されたりしているが、まさか工藤庸子教授がコレットならまだしもバルザックの翻訳をなさるとは…。
どうやらこれは映画「美しい諍い女」のジャック・リヴェット監督がバルザックの「ランジェ公爵夫人」を撮って、この映画http://www.cetera.co.jp/Langeais/が岩波ホール開場40周年記念として2008年4月に上映されるのと時を同じくして工藤教授の新訳も出版されたらしい。
ちょっとこの「ランジェ公爵夫人」は読む気がしない。ストーリーがストーリーなのである。
http://www.eiga-kawaraban.com/08/08021901.html
ま、映画はとても丁寧に作ってあるらしく、あの「グリーンカード」のジェラール・ドパルデューの息子ギョーム・ドパルデューが悲惨な交通事故にもめげず立派な演技をしているらしいので観てみたい気はする。
もちろん工藤教授の訳本もいったん読み始めればすぐさまバルザックの世界に引きずり込まれるだろうことは分っているのだが…。
ペール・ゴリオ パリ物語 バルザック「人間喜劇」セレクション (第1巻)
- 作者: バルザック,Honor´e de Balzac,鹿島茂
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