フランスコミック版「失われた時を求めて」

mii06252008-05-31

ステファヌ・ウエ翻案・画 中条省平翻訳 マルセル・プルースト失われた時を求めて」フランスコミック版第2巻「花咲く乙女たちのかげに(1)ー海辺への旅」 白夜書房 を読了。

特筆すべきは「スワンの恋」が抜けていることだ。ということは文庫版「失われた時を求めて」第一巻「コンブレー」が終わると直ぐに第二巻「花咲く乙女たちのかげに」第二編「土地の名・土地」に飛ぶということだ。けれどもそれは、「スワンの恋」をカットするということでは無く、夏が終わり、バルベックを去ったあとで、「スワンの恋」が語られることになるのだそうだ。
ステファヌ・ウエさんはそいううふうに「失われた時を求めて」を再構成している。
それはそれで意外に効果的なのかもしれないが、やはりジルベルトへの思いが述べられないままでのバルベックへの旅は、特に「暁を彩る牛乳売りの娘」http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040924/p3のハッとする美しさが半減してしまうなァと思った。

失われた時を求めて フランスコミック版 第2巻 花咲く乙女たちのかげに1 海辺への旅

失われた時を求めて フランスコミック版 第2巻 花咲く乙女たちのかげに1 海辺への旅