「ラインの黄金」
メルセデス・ベンツとポルシェの街、シュトゥットガルトはドイツ南西のバーデン・ヴュルテンベルク州の州都であるが、中央駅徒歩7分のところに1882年に設立された州立オペラ劇場(初代指揮者はハンス・フォン・ビューローhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040717)がある。
このオペラ劇場でカルロス・クライバーは1973年にワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を指揮しているが、トリスタンを演じているのは当時のシュトゥットガルト歌劇場の音楽監督でもあったヴォルフガング・ヴィントガッセンだった。
第二次世界大戦後のワーグナー演奏史は、ヴィーラント・ワーグナーのナチズムの排除を目的とした、シンプルな舞台の具現化から始まる。
これ以降のワーグナーのオペラの舞台様式はそれこそ百花繚乱なのだが、それでも四部作である「ニーベルングの指環」は一人の演出家によってディレクトされる場合が殆んどだった。しかし遂に四部作をそれぞれ別の演出家によって演出させてみよう、という画期的なプロジェクトが2003年に出現した。それが「シュトゥットガルト・リング」である。
http://music.co.jp/classicnews/overseas/library48.html
この秋ドレスデン歌劇場が来日公演をおこなうが、演目の一つ、「タンホイザー」の演出を担当しているのがペーター・コンヴィチュニーだ。
http://www.japanarts.co.jp/html/dresden2007/
コンヴィチュニーは現在、ヨーロッパで最も評価の高いオペラ演出家だが、この「シュトゥッガルト・リング」では最後の第三夜「神々の黄昏」の演出を担当している。
ぼくは行けなかったが、昨年春のシュトゥットガル歌劇場来日公演のモーツアルト「魔笛」の演出もペーター・コンヴィチュニーが担当している。
http://www.asahi.com/stuttgart/staatsoper.html
今回は演出に興味を持って、「シュトゥットガルト・リング」を観てみようと思った。
先ずは序夜「ラインの黄金」から。
う〜ん、これは……。
クアハウスに「ラインの黄金」の登場人物、全16名が一気に登場してしまうのだ。
まさか、新世紀の「リング」がドリフの「八時だよ、全員集合!」のもじりで始まるとは…。
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