Le salon Verdurin - 駒沢大学駅徒歩二分の皮膚科医の日記

mii06252006-11-04

ヴェルデュラン家のサロン

スワンが初めてあらわれた日に、ヴェルデュラン夫妻の晩餐には、コタール医師夫妻、若いピアニストとその叔母、当時彼らの贔屓にしていた画家などが来ていた。それに何人かの信者が夜になって加わった。

オデットに誘われて初めて出向いたヴェルデュラン家で若いピアニストが弾いたアンダンテは、その前の年、さる夜会でスワンが聴いたことのある「ピアノとバイオリンのソナタ」だった。

とうとうしまいにその女は、先導するように、すばやく、よい香りをあたりにただよわせながら、スワンの顔にその微笑の反映を残して遠ざかった。けれども今やスワンは、この未知の女の名前をたずねることができたのである。

その女の名は「ヴァントゥイュのピアノとバイオリンのためのソナタ」というのだった。