カラヤン
1951年、カラヤンはバイロイトデビューした。このとき、カラヤンは「マイスタージンガー」と「指環」の2演目の指揮を行った。翌52年には「トリスタンとイゾルデ」を指揮し、51年の「マイスタージンガー」は正規録音も行われた。カラヤンのバイロイトでの演奏はいずれも素晴らしい出来だったが、ヴィーラント・ワーグナー、ジークフリート・ワーグナーとカラヤンの意図する方向とが合わず、カラヤンは1952年の舞台以降バイロイトで指揮棒を振ることはなかった。
いま、この「トリスタンとイゾルデ」を聴くと、劇場的情熱の炎が燃え上がる若きカラヤンの指揮がいかに巧みだったかがよくわかる。そしてメードルの歌うイゾルデは、柔らかで大きく、かつ暖かい。現在、これだけのイゾルデを歌うことの出来るソプラノは見当たらない。
ボダンツキー/フラグスタート盤が興奮の坩堝(るつぼ)に嵌めこむぶっ飛んでしまうような名演奏だったのに比べて、カラヤン/メードル盤は落ち着いて聴けるぶん、感動もまた深い。
http://www.operac.com/chumon/torichu.htm
- 作者: フランツエンドラー,カール・ミヒャエルフリットフム,浅野洋
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