ブッデンブローク家の人びと(12)

グリューンリッヒ氏はトラーヴュミュンデの海の家の医学生、モルテンの両親を訪れて「私のトーニに手を出すな!」と一喝し、トーニの持参金を手に入れるために、愛してもいないトーニと結婚しようと、そのことばかりを目論むのだった。裏帳簿まで作成して銀行家とぐるになってベー・グリューンリッヒ商会の経営が上手く行っているようにみせかけて、コンズル・ブッデンブロークを騙して…。