「今日は穏やかな秋晴れの一日で、祝日でもあり、のんびりなさって明日また頑張ろうと思っていらっしゃる方々も多いことでしょう。また、芸術の秋でもあり、展覧会や演奏会へと足を運ばれた方々も沢山おいででしょう。
でも私は私の作品をそのようにイージーに味わっていただきたくないのです。
日々、忙しく様々な煩わしいことで満ち溢れているこの大都会を離れて、テレビもなければ新聞もない、静かな山麓の一田舎町で、2,3日、都会の喧騒を離れて身も心もリフレッシュして、それからおもむろに私の作品をじっくりと心ゆくまで味わっていただきたいのです。私はそのためにこの劇場(バイロイトのこと)http://www.hat.hi-ho.ne.jp/~hori-t/ajisai/bay.htmを建てました。木造二階建の質素な建物ではありますが、この劇場で皆様が“祝祭の日々”を体験し、ふたたび煩(わずら)わしく疎(うと)ましい日常の日々に戻られても、心のどこかにこの“祝祭の日々”(バイロイト体験)を持ち続けていただけることを願ってやみません。」
ワーグナーは思っていたのだろうと思う。