偽りの決闘(シャルリュスとモレル−2)-1

あのスワンさんが高級娼婦(ココット)のオデットに恋した時に、しつこく足繁く通った、ブルジョワのヴェルデュラン夫人http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040901は夏の間、海のバルベックからローカル線に乗って少し行ったところにあるカンブルメール侯爵家の持ち家の一つ「ラ・ラスプリエール荘」を借りていた。
そのヴェルデュラン夫人の海のバルベックでの夜会(ソワレ)の招待日に招かれた語り手は初めて、夫人の夜会に赴いてみるのだったが、なんとそこには若い美貌のバイオリニストのモレルとシャルリュス男爵が連れ立って登場して来るのだった。
このころ語り手は運転手つきの自動車http://d.hatena.ne.jp/mii0625/200311を雇って、毎日アルベルチーヌをドライブに連れ出すのだった。
シャルリュス男爵は若き美貌のバイオリニストのモレルと逢うために、あのスワンがオデットと逢うためにそうしたように、ヴェルデュラン夫人のソワレに毎晩のように、口髭を白髪染めで黒く染め、口紅を点して、美貌のモレルに見劣りしないように若作りをしながら、ローカル線に乗り込み、そして兵営のあるドンシェールから乗ってくる若き美貌のバイオリニストのモレルと合流するのだった。