ゲルマント大公夫人の夜会-1

語り手は結局、ゲルマント大公夫人に招待されているのかどうかハッキリとしないまま、シャルリュス男爵と元・チョッキ仕立て職人ジュピアンの出逢いを密かに覗き見してからゲルマント公爵夫人の邸で病身のスワンと出会ったのち、ゲルマント大公夫人の夜会へと出向くのだった。
ゲルマント大公夫人の邸ではシャーテルロー公爵を見かけるが、この男も男に興味を持つ男だった。そして語り手はボーグーベール侯爵の姿を認めるが、優れた外交官であるこの人にはどこか女性的なところがあり、その夫人は逆にどこか男性的な趣があるのだった。
結局、ゲルマント大公夫人からもシャルリュス男爵からもゲルマント大公を紹介されないまま、語り手はたくさんの殿下と会うのだったが、ゲルマント公爵夫人はいかも優雅にそれらの貴人達と応対していくのだった。
よく「林檎」(ラ・ポンム)と呼ばれているラ・ポンムリエール侯爵夫人のところで次の週に語り手が夜会に出るかどうかと訊ねた後に、語り手は行かないという返事をすると、大公夫人は例の才気(エスプリ)を効かせて「あれは、なかなか感じの良い女性なのですのよ、あの、林檎(ラ・ポンム)侯爵夫人は!」と言うのだった。