『仲違い』

『仲違い』は『なかたがい』です、『なかちがい』ではありません。若干は『じゃっかん』です、『わかせん』ではありません。
『あれー,ジルベルトからの初メールだァ!!!』と喜んだ語り手は早速、スワン家へ“お招ばれ”に赴くのだった。語り手はスワン家の人々といっしょに音楽会へ行ったり、ブーローニュの森へと散歩に行くこともあった。
なかでも最も語り手を喜ばせたのは、スワン家で語り手の憧れの作家、ベルゴットと昼食を共にしたことだったのだが、その作品から受ける印象と実際に会った作家とは、あまりにも印象が違っていて、語り手は幻滅するのだが、作家は語り手のことを“知性の快楽”を知っている人、として評価してくれるのだった。
しかし、このようなジルベルトやスワン家の人々との“甘い生活”はけっして長くは続かなかった。破綻は思わぬ方角からやってきた。