コンブレー

こんなふうにして語り手は、よく朝まで考えつづけるのだった、コンブレー時代のことを、まんじりともしなかった悲しみの夜のことを、またごく最近に一杯の紅茶の味によってそのイメージが戻ってきた多くの日々のことを、そして語り手の生まれる前にスワンが経験したある恋愛について細部まで正確に知ったことを。