コンブレー

語り手が小さい頃の長い休暇を過ごすコンブレーの家は一方は『スワン家の方(ほう)へ』と向かう散歩道であり、もう一方は『ゲルマントの方(ほう)』と呼ばれていて、あの、遠くメロヴィング王朝時代(5〜8世紀)にまで遡る貴族中の貴族、ゲルマント公爵の館へと向かう散歩道だった。
そして『ゲルマントの方』へ向かう散歩道は睡蓮の浮かぶヴィヴォンヌ川に沿っており、川淵には高い潅木が綺麗に立ち並ぶのだった。