脂漏性皮膚炎

前回の日記[今日の皮膚病]に書いた「脂漏」が炎症を起こしたものが「脂漏性皮膚炎」であるとはならないというところが「脂漏性皮膚炎」の難しいポイントだ。
脂漏性皮膚炎」は痒くないことがしばしばある。皮膚炎を起こせば炎症の結果、痒みが生じるものだが痒みを伴わない「脂漏性皮膚炎」が多いということは、この皮膚炎の原因がアレルギー性、ないしは化学物質による刺激性のものではということを示唆している。

 それでは痒くない炎症はなぜ起きるか?

近年、「脂漏性皮膚炎」の原因として有力視されているのが皮脂によるケラチノサイトのインターロイキン活性化である。簡単にいえば、自分が作る脂が自分の皮膚を刺激して炎症が起きるということである。

そのような脂腺の皮脂分泌機能の正常化を促すものとして考えられているのが抗マラセチア属真菌薬であるケトコナゾールだ。

けれどもケトコナゾールの弱点は極めて薬効が遅いという点である。

う〜ん、なかなか良くなっていただけないなぁと患者さんとともに悩んでいるとある日突然効いてきて、あれだけ酷かった、部厚くこびり付いていたフケが無くなり緑の黒髪が甦ってくる。

皮脂腺内部をケトコナゾールによって清潔にすることは良いことだと思う。