脂漏

前回の日記[今日の皮膚病]に書いた「脂漏性皮膚炎」を理解するためにまず、「脂漏(シロウ)」を知ろう。

脂漏(シロウ)seborrheaセボレアとは、毛包に付属する脂腺の機能亢進で起きるひとつの状態をいうのだが、日常用語で言う、いわゆる「油性の肌」と同義と思って良い。

要するに脂ぎっておでこがテカテカ光っている状態や、頭が脂でべっとりとした状態を思い浮かべていただければよいと思う。

以下の3種に分類される。

1)油性型脂漏
2)結痂型脂漏
3)ひ糠型脂漏

1)の油性脂漏が最も一般的である。

脂漏(シロウ)は皮脂腺が多く分布する脂漏部位に出現するのだが、

脂漏部位とは頭、顔、胸と背中、腋の下と陰股部である。

では、肝腎の、皮脂腺の機能亢進はなぜ起きるか、なのだがこれがまだ良く解かっていない。

一応、遺伝的素因が大きく、アンドロゲン(男性ホルモン)によっても皮脂腺の機能は亢進する、とされている。

脂漏の対症療法としてはニゾラール(ケトコナゾール)クリーム・ローションの外用や、市販のフルフルシャンプー(ケトコナゾール含有シャンプー)などがお奨め出来るが、難点は効果の発現までに時間がかかる点だ。

すぐ効かないのである。長い人だと半年くらい必要なこともある。

ということはアドヒアランスadherence(自ら良く理解して粘り強く頑張る気持ち)を低下させないというか、アドヒアランスadherenceを向上させる努力が必要になってくる。

アドヒアランスに関してはいづれまた、ということで、次回はようやく「脂漏性皮膚炎」について。