スワンの恋(5)

mii06252008-02-09

 そしてスワンは、悲しみが消え、それと同時に自分の道徳水準が低下するやいなや、たちまち間歇的に現れるいつもの下卑た口調で内心にこう叫んだ。
「まったく俺ときては、大切な人生の数年を無駄にしちまった。死のうとさえ思い、あんな女を相手に一番大きな恋愛をしてしまった。俺の気に入らない女、俺のジャンルでもない女だというのに!」

以上で、プルーストの小説「失われた時を求めて」第一篇「スワン家の方へ」第二部「スワンの恋」、読了です。