「ロング・グッドバイ」

mii06252007-04-15

米国の作家、レイモンド・チャンドラーの傑作ハードボイルド小説、「The Long Goodbye」はこの国では清水俊二さんの名訳で「長いお別れ」と題されて多くの人々に読まれてきたのだが、このたび、作家、村上春樹さんによって新たに訳されて、「ロング・グッドバイ」として早川書房から登場した。

ぼくがこのハードボイルド小説を早川ミステリーで清水さんの訳で「長いお別れ」として読んだのは高校生のときだから、実に久しぶりのギムレットフィリップ・マーロウなのだが、長いお別れの後に再会したマーロウに感じたものは、それは懐かしさではなく、これは全くの驚きなのだけれど、新鮮さだった。

村上春樹さんの何時もながらの読ませる後書きによれば、新築の家も25年めで補修、50年めで大改装あるいは新築が必要であるように、いくら名訳でも50年めには新訳が登場しても良いだろうとのことである。

「長いお別れ」ののちに再会した「ロング・グッドバイ」をゆっくり楽しんだ日曜日の午後だった。



ロング・グッドバイ

ロング・グッドバイ