「ロング・グッドバイ」
米国の作家、レイモンド・チャンドラーの傑作ハードボイルド小説、「The Long Goodbye」はこの国では清水俊二さんの名訳で「長いお別れ」と題されて多くの人々に読まれてきたのだが、このたび、作家、村上春樹さんによって新たに訳されて、「ロング・グッドバイ」として早川書房から登場した。
ぼくがこのハードボイルド小説を早川ミステリーで清水さんの訳で「長いお別れ」として読んだのは高校生のときだから、実に久しぶりのギムレットとフィリップ・マーロウなのだが、長いお別れの後に再会したマーロウに感じたものは、それは懐かしさではなく、これは全くの驚きなのだけれど、新鮮さだった。
村上春樹さんの何時もながらの読ませる後書きによれば、新築の家も25年めで補修、50年めで大改装あるいは新築が必要であるように、いくら名訳でも50年めには新訳が登場しても良いだろうとのことである。
「長いお別れ」ののちに再会した「ロング・グッドバイ」をゆっくり楽しんだ日曜日の午後だった。
- 作者: レイモンド・チャンドラー,村上春樹
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/03/08
- メディア: 単行本
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