我が愛しのブラームス

mii06252006-07-29

文春文庫の「クラシックCDの名盤」ISBN:4166600699、「我がクラシックCD鑑賞の羅針盤」の一冊ではあるが、その内容とぼく自身の心への訴え度合いとはケース・バイ・ケースなのはこの種のお奨め本ではよくあることだろう。

なかでも我が愛しのブラームス交響曲第二番は、福島章恭さんがピエール・モントゥー/ロンドン響のCDを、「最晩年のモントゥーがロンドン響と行った演奏だ。モントゥーのブラームスへの愛情は、寝室の壁を作曲家の写真で埋めるほどであったが、ここでも、スコアにある音符のひとつひとつが慈しむような大切さで再現されており、まことに感動的だ。ロンドン響の真摯さ、モントゥーへの敬愛の深さは、ウィーン・フィル盤を遥かに凌ぐ。」と書いておられて、聴いてみたのだったが、これがなにかしっくり来ないのだ。モントゥーはアムステルダム・コンセルトヘボウを指揮したベートーヴェンの「英雄」を聴いて以来、大好きになってしまった指揮者のひとりだが、このロンドン響とのブラームス第二には福島さんが書いておられほど、惹きこまれることはなかった。

 が、が、本日、1200円で、福島さんが「遥かに凌がれてしまっている」と記した、ウィーン・フィル盤を「ひょっとしたら?」と思って購入したのだが、これが「マイ・心のつぼ」にジャストフィットしたのだ!

まさに「モントゥーのブラームスへの愛情は、寝室の壁を作曲家の写真で埋めるほどであったが、ここでも、スコアにある音符のひとつひとつが慈しむような大切さで再現されており、まことに感動的だ。ウィーン・フィルの真摯さ、モントゥーへの敬愛の深さは、ロンドン響盤を遥かに凌ぐ。」と思った、2006年7月29日の夜だった。

ブラームス:交響曲第2番(紙ジャケット仕様)

ブラームス:交響曲第2番(紙ジャケット仕様)