らしかった時代

mii06252006-02-15

前回の日記に書いた禁酒法とマフィアといえば、エリオット・ネス、「アンタッチャブル」に触れないわけにはいかない。団塊の世代にとっては米テレビドラマシリーズ「アンタッチャブルhttp://www.geocities.jp/dayfornight0418/toybox/tv/tv2.htmlは忘れられない存在だ。

映画「アンタッチャブル」(ブライアン・デ・パルマ監督、1987年作品)では、ロバート・デ・ニーロ演じるアル・カポネがオペラの舞台を観て涙を流すシーンがある。「戦艦ポチョムキン」を参考にした、階段から乳母車が猛スピードで降りてくるシーンとか、アルマーニのスーツとかで当時、何かと話題になった映画だ。

アルマーニといえばチョコレートまであるのだな。http://www.nikkei.co.jp/style/if/italia/shoku/i_trend.html

ロバート・デ・ニーロ演じるアル・カポネが観たオペラはレオンカヴァルロ(1858-1919)作曲の『道化師』(パリアッチョ)だ。主人公カニオが歌う「衣装をつけろ」を聴きながら、アル・カポネは涙する。

劇中劇で、カニオは嫉妬に狂って自分の妻を本当に刺し殺してしまう。「衣装をつけろ」は妻の浮気を知った旅芝居一座の座長カニオが道化師の衣装をつける時に激情にかられながら歌う、このオペラの最大の見せ場でだ。マリオ・デル・モナコカニオは凄まじい(1961年イタリアオペラ東京公演のNHKアーカイブスの映像)。

妻の浮気は許さない!と激情にかられながら、それでも衣装をつけて道化師を演じなければいけない、自分は役者なんだから、と歌うこのカニオの思いに、カポネはもらい泣きしたのだろうか。

妻の浮気はオペラの題材になりやすいのかな。ミスター・ブルームの愛妻モーリーhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20050923もオペラ歌手だった。

とにかく、男は男らしく、マフィアはマフィアらしく、子供は子供らしかった、そういう、“らしかった時代”の話だと想った。

アンタッチャブル [DVD]

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