最終章
ジェイムズ・ジョイスの小説「ユリシーズ」の最終章を読み終えて感じたことは〝翌朝、ブルームは目覚めたときに何を思うか〟ということだった。ぼくには朝ベッドで目覚めて、まだ眠っている愛妻モリーを見ているブルームの姿がありありと見えた。そしてこれはプルーストの小説「失われた時を求めて」の最終章を読み終えたときに感じたこととまったく同じだった。ぼくは〝夜中、白木の大机に向かって懸命に出筆する語り手の姿〟を見たのだった。
- 作者: マルセル・プルースト,鈴木道彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/12/13
- メディア: 文庫
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