ドン・ジョヴァンニ

モーツアルトの三大オペラ、「フィガロの結婚」、「ドン・ドンヴァンニ」、「魔笛」のなかで、ぼくが一番音源を観たり聴いたりしているのは「ドン・ジョヴァンニ」である。なかでもドン・ジョヴァンニがツェルリーナを誘惑する、「ラチ・ダレラ・マノ」は女性を口説く歌としては絶品である。ボイランが今日の午後4時、愛妻モリーに持ってくるプログラムでもこの曲が歌われることになっているし、街を行くミスター・ブルームが御者が口ずさむのを聴くのもこの♪ラチ・ダレラ・マノ♪である。この曲の存在を意識させられて、ブルームはボイランが愛妻ミリーを誘惑することを痛切に感じるのだ。
このDVDは新装なったグラインドボーン・オペラでの映像。デボラ・ウォーナーの演出が素晴らしい舞台。