ナクソス島のアリアドネ

リヒャルト・シュトラウス 歌劇《ナクソス島のアリアドネ》 [DVD]

リヒャルト・シュトラウス 歌劇《ナクソス島のアリアドネ》 [DVD]

三月の日記http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20050313に書いた「ナクソス島のアリアドネ」が発売された。アリアドネは予想に反して、というか予想どおりリーザ・デラ・カーザではなくてヒルデガルト・ヒレブレヒトだった。ライナーノーツを山崎浩太郎さんが書いている。1965年のザルツブルグ音楽祭での上演をORFがテレビ用にライブ収録したもので、音は比較的綺麗に収録されているが、映像があまい。もちろんモノトーン(白黒)。映画はこの頃にはカラー(総天然色)になっていたと思うが、舞台映像は照明の暗さから、モノトーンしか撮れなかったのだろうし、第一にテレビ自体が白黒テレビだったのだから致し方ない。

 セーナ・ユリナッチはこの前観た「オテロhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20050412のデスデモーナよりもこのズボン役の作曲家のほうが自然な感じを受けるのはカラヤンの「ばらの騎士」のオクタビアンの印象があまりにも強すぎるからか。ツェルビネッタを演じるレリ・グリストも良いが、アリアドネに扮するヒルデガルト・ヒレブレヒトはフツーに良い。要するにある一定の水準は保っているくらいに上手いのだ。輝いていて心に深く印象付けられて、いつまでも忘れることの出来ない超名演、というほどではないのだ。

 この作品はカール・ベームR.シュトラウスのオペラ「ナクソス島のアリアドネ」の名スペシャリストだったことが良く分かる映像の記録だ、と思った。