オセロ
ウィリアム・シェークスピアの四大悲劇の一つオセロ OTHELLO 。オセロはわが国ではゲームのオセロ、松嶋尚美さんのオセロとしても有名。このオセロに音楽を附けてオペラ化したのがヴェルディ。ヴェルディはわが国ではサッカーチーム名としても有名。ジュゼッペ・ヴェルディはイタリア人だからオセロ OTHELLO をオテロ OTELLO と書いた。
この DVD はオセロ OTHELLO と表記されているが、その理由(わけ)はドイツ語上演だからである。1960年代のヘルデン・テノールの雄、ヴォルフガング・ウィントガッセンがオテロを演じているのだ。
このDVD、一見(いっけん)際物(きわもの)ふうだがそんなことはなかった。シュツットガルト放送交響楽団とウィーン国立オペラ合唱団、セーナ・ユリナッチのデスデモーナ、そしてタイトルロールのヴィントガッセンと全て揃っていて、ドイツ風味のヴェルディのオペラの最上級の舞台を味わうことが出来た。
収録された年は明記されていないがおそらく1960年代後半のものだろう。それにしては映像、音ともに申し分ない。
カルロス・クライバーのオテロが昨年秋に市販された「カルメン」のようにはゆき難い現在(いま)、このヴィントガッセンの「オセロ」はワグネリアンなヴェルディ好きの方(かた)にお奨めしたい一品(ひとしな)。