アルベルチーヌへの急旋回

眠れない夜、ママンの“おやすみのキス”を待ちわびていたコンブレー、そのコンブレーhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040803に、母が用事があって帰らなければならいと知らされた時、良い機会だと思った語り手は母にアルベルチーヌと結婚しない決心をした、と伝えると母は嬉しさを隠そうとしないのだった。
しかし、アルベルチーヌとも話しをつけなければならない語り手はヴェネツィアに旅することを想いながら、語るともなしにアルベルチーヌにあの作曲家、ヴァントゥイユhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040824のことを語るのだったが、な、なんと、あの二人の女性、ヴァントゥイユ嬢とその女友達はアルベルチーヌの“お姉さん達”なのだった!
え?え?これってアルベルチーヌがレズビアンだということではないか!
女だけの快楽の世界を知っているアルベルチーヌに語り手は激しく嫉妬するのだった。
シェルブールトリエステに女友達に逢いに行こうとするアルベルチーヌだったが、そこで起きるであろう出来事に激しく嫉妬した語り手は母にこう語るのだった、
『…。もうこれから気持ちが変わることはないし、それに、このことがなければ生きてゆけやしない。
だから僕はどうしても、アルベルチーヌと結婚しなければならないんだ!』
鈴木道彦訳 マルセル・プルーストの小説「失われた時を求めて」第四篇「ソドムとゴモラ」(集英社)を読了し、次回からは第五篇「囚われの女」へと移ります。