アルベルチーヌへの疑惑-2

語り手の心に浮かび上がってきた疑惑とは…。
アルベルチーヌとその女友達たちにアンカルヴィルのカジノに誘われた語り手はヴェルデュラン夫人宅を訪問しなければならなかったのだけれども、軽便(トラム)が故障してしまったために、止むを得ず誘われたアンカルヴィルのカジノへ向かたのだったが、たまたまヴェルデュラン夫人のサロンの常連の医者のコタールと出会い、コタールとともにカジノへと入っていった。
アンカルヴィルのカジノではアルベルチーヌは女友達のアンドレとワルツを踊っていたが、その二人の踊る姿を見て医者のコタールは語り手に、まるで医者が診察し診断を下すように、こう言うのだった。
『あいにく眼鏡を忘れてきたのでよく見えないのですが、あの子たちは明らかに快楽の極み達していますな。女たちはなによりも乳房で快楽を感じるということが、充分に知られていないのです。ほら、あの二人の乳房は、完全にくっついているでしょう!』
じじつ、アンドレとアルベルチーヌの乳房は、それまでずっと接触をつづけていたのである。
これってアンドレとアルベルチーヌは“女性どうしで感じている”っていうこと?