夕靄(ゆうもや)のなかに沈む太陽

語り手はこう語る。
『最後にジルベルトに会いにいったときは、雨だった。…』
こうして、いつしか語り手から心を移してしまったジルベルトだったが、それでもジルベルトへの想いが断ち切れない語り手は未練たらしく、ジルベルトとは会えなくなってしまっているのに、まだしつこくスワン家を訪問するのだが、そんな語り手をスワン夫人のオデットは優しくもてなすのだった。
そしてそんな優雅(エレガント)で、お洒落で、着こなし上手なスワン夫人オデットに、娘のジルベルトにはない、大人の女性の魅力を感じた語り手は…。