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1981年、スタジオ録音盤。
指揮はレナード・バーンスタイン
ゾルデ:ヒルデガルト・ベーレンス
トリスタン:ペーター・ホフマン
演奏はバイエルン・放送管弦楽団
トリスタンとイゾルデ」覚え書き第13回目はレナード・バーンスタイン指揮の「トリスタン」である。
ある方のコメントに対するレスとして記したが、マーラーの指揮した「トリスタンとイゾルデ」はそれはもう見事なものだったらしい。
そして稀代の名マーラー指揮者となったバーンスタインが指揮する「トリスタンとイゾルデ」は、僕の『マーラーが指揮した「トリスタンとイゾルデ」を聴きたいぞ!願望』をさらに強くさせるのだった。

異教徒と結婚するということは相当たいへんなことらしい。イギリス国教会キリスト教ジャクリーヌ・デュ・プレとブラジルのユダヤ教徒ダニエル・バレンボイムの場合もそうだった。

1994年、スタジオ録音盤。
指揮はダニエル・バレンボイム
ゾルデ:ワルトラウト・マイヤー
トリスタン:ジーグフリート・イエルザレム
演奏はベルリン・フィル
マーラーバーンスタインバレンボイム。この三人の共通点は何か?それは三人が三人ともユダヤ人だったことだ。
前回の第13回に引き続き第14回の今日もユダヤ人指揮者の振る「トリスタンとイゾルデ」。全曲盤14回目にして初めてのベルリン・フィルの登場である。クラシック・オーケストラ業界の東大がベルリン・フィルだとすれば、ウィーン・フィルは京大、そんな感じだが、これは単なる直感を述べただけ。
バレンボイムベルリン・フィルの演奏する「トリスタンとイゾルデ」、この録音、けっこう好きです、ぼく。

2003年、ウィーン国立歌劇場ライブ
指揮はクリスチァン・ティーレマン
ゾルデ:デボラ・ヴォイクト
トリスタン:トーマス・モーザー
演奏はウィーン・フィルハーモニー
トリスタンとイゾルデ」覚え書きの最期はクリスティアンティーレマン指揮の「トリスタンとイゾルデ」である。
カルロス・クライバーウィーン国立歌劇場での演奏から、ちょうど30年後にあたる2003年ライブ録音のこの盤は、指揮者ティーレマンのこの曲に賭ける気合のほどが窺われる大熱演となった。
さらにカルロス・クライバーバイロイト音楽祭デビュー30年後にあたる来年の2005年には朝比奈隆さんの後を受けて大阪フィルの音楽監督の職にある大植英次さんが、日本人として初めてバイロイト・デビューする予定で、振るのは「トリスタンとイゾルデ」だそうだ。どうやら「トリスタンとイゾルデ」からは目が離せなくなってきた。