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1953年7月30日、バイロイト音楽祭ライブ。
指揮はオイゲン・ヨッフム
ゾルデ:アストリッド・ヴァルナイ
トリスタン:ラモン・ヴィナイ
演奏はバイロイト祝祭管弦楽団
アムステルダム・コンセルトヘボウのフォン・べイヌムが亡くなる前、ヨッフム51歳のときのバイロイトの記録。
ヴァルナイはゼンタ、エリーザベト、オルトルート、ブリュンヒルデを歌っているのを聴いたが(クンドリは未聴)、このイゾルデは極めてオーソドックスな歌い方。ヨッフムの指揮も同様に極めてオーソドックス。やはり、イゾルデを歌いあげるのは難しい、と思った。

1966年7月、バイロイト音楽祭ライブ。
指揮はカール・ベーム
ゾルデ:ビルギット・ニルソン
トリスタン:ヴォルフガング・ヴィントガッセン
演奏はバイロイト祝祭管弦楽団
1957年はサヴァリッシュ、1962年はベームの指揮で、バイロイトで歌ったニルソン、ヴィントガッセンの「トリスタンとイゾルデ」の音源があるが、ぼくは未聴。
1960年はショルティウィーン・フィルで、ウールとニルソンの「トリスタンとイゾルデ」のスタジオ録音盤があるがこれも未聴。
この1966年盤はついに「バイロイトの音」を録音することに成功したとされる名録音。
鋼のように強靭なベームの指揮のなかに浮かび上がるロマンティックな響き。
「充実」という言葉はこの演奏のためにあると思わせる名演と名録音の記録。