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1950年の上演の記録。
1950年7月23日。
ミュンヘンプリンツレゲンテン劇場にて。
指揮はハンス・クナッパーツブッシュ
ゾルデ:ヘレナ・ブラウン
トリスタン:ギュンター・トレプトウ
演奏はバイエルン国立歌劇場管弦楽団
ついにクナの登場。録音の情況はクナの「マイスタージンガー」と同じくらい。
スケールの大きい、ロマンティックな演奏。歌唱はやや古めのような感じがする。
楽想からいって、クナには「パルジファル」、「マイスタージンガー」のほうが向いていると思うのだが…。

1951年の上演の記録。
1951年12月13日。
ミラノ、スカラ座にて。
指揮はヴィクトール・デ・サバータ。
ゾルデ:ゲルトルード・グローブ=プランドル
トリスタン:マックス・ローレンツ
演奏はミラノ・スカラ座管弦楽団
マリア・カラスの「トスカ」の空前絶後の名指揮で知られるデ・サバータの指揮で聴く「トリスタン」はやはり素晴らしいのだった。
録音はこれ以上悪ければどうしようもないというほど劣悪だが、それでもなお、デ・サバータの指揮は光り輝いている。
ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」というオペラには無駄な音符は一つとしてなかったのだ、と感じさせる名演。