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まず一番バッターは1936年の上演の記録。
1936年5月18日と6月2日。
ロンドン、コベントガーデン・王立歌劇場にて。
指揮はフリッツ・ライナー。
ゾルデ:キルステン・フラグスタート
トリスタン:ラウリッツ・メルキオール
NAXOS の Great Opera Recordings 中の一篇。
ぼくの持っているワーグナーのオペラ、「トリスタンとイゾルデ」の全曲盤CDでは一番古い。
テンポは快調で、噂のゴールデン・コンビ、メルキオールとフラグスタートの歌唱が聴けるだけでも、ワグネリアンは満足すべし、などという以上に、音はビックリするほど良い。
後年のフルトヴェングラー盤では聴くことの出来ない、真の絶頂期のフラグスタートのイゾルデ姫の一端が味わえる、まさにgreat recording だと思う。

二番バッターは1943年の上演の記録。
1943年2月6日。
ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場にて。
指揮はエーリッヒ・ラインズドルフ。
ゾルデ:ヘレン・トラウベル
トリスタン:ラウリッツ・メルキオール
NAXOS の Immortal Performances 中の一篇。
ぼくの持っているワーグナーのオペラ、「トリスタンとイゾルデ」の全曲盤CDでは二番めに古い。
最近の継ぎはぎ(継接ぎ)だらけのライブ録音とは違い、一発録り(どり)らしい、素晴らしい迫力、盛り上がりをみせる。ラインズドルフの指揮もそれなりに良いが、やはり、メルキオールとトラウベルの歌唱が抜群、いま聴いても古さを感じさせない。
トラウベルのイゾルデ姫の迫力!

1946年の上演の記録。
1946年11月30日。
ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場にて。
指揮はフリッツ・ブッシュ。
ゾルデ:ヘレン・トラウベル
トリスタン:セット・スヴァンホルム
MYTO の HISTORICAL LINE 中の一篇 。
イギリス、グラインドボーン音楽祭のモーツアルトの名演で知られるブッシュがメトでワーグナーを振った記録であると同時に、スヴァンホルムのトリスタンとトラウベルのイゾルデの共演がたいへん素晴らしい。
やはり、メトはいつもメトらしい仕上がりの舞台で魅せるのだなぁ、と実感。