2003/06/21(土) 欲望という名の電車


DVDで、1951年米国映画「欲望という名の電車」、原題「a Streetcar Named Desire」を観る。当代髄一の名劇作家テネシー・ウィリアムズのブロードウェイの傑作舞台をそのまま、エリア・カザン監督、マーロン・ブランド主演で映画化したもの。ヒロインはあの、「風と共に去りぬ」のビビアン・リーだ。
ニューオリンズの市電「欲望Desire」行きに乗って、「墓地」行きに乗り換えてエリジアンフィールドで降りたところが舞台。
風と共に去りぬ」から12年後のビビアン・リーは、ローレンス・オリビエ仕込みのシェークスピア演劇等で培った、イギリス流の伝統的な演劇スタイルで、黄昏時の脆くも果敢ない、ナイーブな女性を演じきって余すところがない。
かたや、粗野で暴力的な義弟を演じるマーロン・ブランドは、ニューヨークの「アクターズ・スタジオ」出身で、「メソッド演技」と、持って生まれたその甘美なセクシーさで魅了する。
エリア・カザン監督はこの「欲望という名の電車」の4年後に「エデンの東」を撮るのだった。