マリア・カラスと三人の男達ー3
2002/12/30(月) マリア・カラスと三人の男たちー3
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オナシスと別れたカラスは翌1969年、パオロ・パゾリーニ監督の映画『王女メディア』に、一曲も歌うことなく女優として主演し、オペラの舞台に立つことは無かった。1971年、1972年と続けてアメリカ、ジュリアード音楽院で後輩の指導にあたるが、これが後年<マスタークラス>として舞台劇化され、日本では黒柳徹子さんがマリア・カラス役を演じたことは記憶に新しい。
そんな歌を忘れたカラスに、優しく接し、再び歌手として再起させた男がいる。ジュゼッペ・ディ・ステファーノ(1926〜)である。彼はカラスの黄金時代にカラスと最も多くの舞台・レコーディングで共演した美声の名テノールであったが、1973年から1974年にかけてヨーロッパ、アメリカ、アジアを廻るワールドツアーにカラスと共に共演することに成功した。
ツアーの最終国は日本で、最終公演は札幌であった。そしてこれがカラスのオペラ歌手としての最後の舞台となってしまった。
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